2020/11/13-11/17、オンラインで開催された「アメリカ心臓協会学術集会(AHA 2020)」にて、僧帽弁置換術後の弁膜症性心房細動に対してリバーロキサバンの有効性と安全性を検討した「RIVER」試験の結果が発表されました。僧帽弁の生体弁による置換術後、心房細動に対する抗凝固療法として、リバーロキサバンは有効か、ブラジル、49施設、オープンラベル無作為化試験、生体弁による僧帽弁置換術後、心房細動または心房粗動を認め、経口抗凝固薬を投与またはこれから投与予定の1005例を対象に、リバーロキサバン20mg投与群500例、ワルファリンINR2.0〜3.0管理群505例、無作為化、主要評価項目は12カ月後の全死亡、主要有害心血管事象(脳卒中、一過性脳虚血発作、弁血栓、全身性塞栓症、心不全入院)、大出血の複合、12カ月間のイベント非発生期間平均(Restricted Mean Survival Time: RMST)を比較しました。12カ月後の12カ月間のイベント非発生期間平均は、リバーロキサバン群347.5日、ワルファリン群340.1日、差7.4日(95%CI −1.4〜16.3日)、非劣性(非劣性のマージン:−8日、非劣性のP<0.001)を認めました。副次評価項目の心血管死と血栓塞栓症(脳卒中、一過性脳虚血発作、弁血栓、深部静脈血栓症、肺塞栓症、全身性塞栓症)の複合イベントの発生は、リバーロキサバン群3.4%、ワルファリン群5.1%、リバーロキサバン群で低い傾向にあったが有意差(HR 0.65、95%CI 0.35-1.02、P=0.17)には至りませんでした。大出血はリバーロキサバン群1.4%、ワルファリン群2.6%、有意差(HR 0.54、95%CI 0.21-1.35、P=0.18)を認めませんでした。頭蓋内出血1.0%、致死的出血0.4%はワルファリン群のみに発生しました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202011/567884.html
僧帽弁置換術後、心房細動に対する抗凝固療法に関して、従来はワルファリンのみが適応でしたが、リバーロキサバンでも有効性、安全性に問題がなさそうであるという報告です。むしろ、大出血、頭蓋内出血、致死的出血はリバーロキサバン群で少ない傾向にあり、ワルファリンじゃなくても良いのではと感じました。
2020/11/13-11/17、オンラインで開催された「アメリカ心臓協会学術集会(AHA 2020)」にて、僧帽弁置換術後の弁膜症性心房細動に対してリバーロキサバンの有効性と安全性を検討した「RIVER」試験の結果が発表されました。