2020/11/13-11/17、オンラインで開催された「アメリカ心臓協会学術集会(AHA 2020)」にて、高用量オメガ3脂肪酸の心血管疾患へ対する作用を検討した「STRENGTH」試験の結果が発表されました。

2020/11/13-11/17、オンラインで開催された「アメリカ心臓協会学術集会(AHA 2020)」にて、高用量オメガ3脂肪酸の心血管疾患へ対する作用を検討した「STRENGTH」試験の結果が発表されました。高用量のオメガ3脂肪酸、のエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸は心血管疾患を減らすか、22カ国、675施設、動脈硬化性心血管疾患の既往、心血管疾患のリスク因子あり、スタチン投与でLDLコレステロール100mg/dL未満または最大耐容量スタチン投与、中性脂肪180-499mg/dL、HDLコレステロール低値(男性42mg/dL未満、女性47mg/dL未満)の例13078例を対象に、1日4gのEPA/DHA製剤投与群6539例、対照群としてコーン油投与群6539例、無作為化、42.0カ月追跡、主要評価項目は心血管死、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建、不安定狭心症入院の複合しました。結果、途中解析にて有益性が認められないとの判断で独立データモニタリング委員会から中止勧告を受けました。心血管イベントは、EPA/DHA群785例(12.0%)、対照群795例(12.2%)、有意差(HR 0.99、95%CI 0.90-1.09、P=0.84)を認めませんでした。心血管疾患の既往の有無、一次予防(HR 1.16、95%CI 0.95-1.41)、二次予防(HR 0.94、95%CI 0.84-1.05)、いずれにおいても有意差を認めませんでした。また、EPA/DHA群で心房細動のリスクが有意に上昇(5.3% vs 3.9%、HR 1.69、95%CI 1.29-2.21)を認めました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202011/567898.html
今回の「STRENGTH」試験では、EPA/DHA製剤群で心血管疾患の減少を認めず、早期試験中止勧告になりました。一方で、2018年発表の「REDUCE-IT」試験では、1日4gの高用量EPA製剤群で心血管イベント25%の有意な減少が報告されています。考察としては、対照群に投与した脂肪の種類の違いとして、「REDUCE-IT」試験では鉱物油、「STRENGTH」試験ではコーン油が投与されていることから、高用量のオメガ3脂肪酸によって心血管疾患が減少したのではなく、「REDUCE-IT」試験の対照群の鉱物油の投与によって心血管疾患が増加しており、相対的に実薬群で効果があるように見えただけかも知れない可能性が指摘されています。プラセボ群で投与したものが有害であり、実薬群が効果があるように見えていただけという仮説が本当だとしたら脂肪酸製剤の臨床研究の在り方を根本的に考え直す必要があるのではないかと感じました。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2773120


PAGETOP