2020/11/16、心房細動の初回治療としてクライオアブレーションと薬物療法を比較した研究「Cryoablation or Drug Therapy for Initial Treatment of Atrial Fibrillation: EARLY-AF」の要旨をまとめました。

2020/11/16、心房細動の初回治療としてクライオアブレーションと薬物療法を比較した研究「Cryoablation or Drug Therapy for Initial Treatment of Atrial Fibrillation: EARLY-AF」の要旨をまとめました。ガイドラインの推奨では、心房細動の治療として、1つまたはそれ以上の抗不整脈薬を投与してから、カテーテルアブレーションの適応を考慮するように推奨されています。しかしながら、初回治療としてのアブレーションは洞調律維持のために有効性が高い可能性があります。症候性、発作性、未治療の心房細動303例を対象に、初回のリズムコントロール治療として、冷却バルーン(cryothermy balloon)によるカテーテルアブレーション、抗不整脈薬投与に無作為に割り振りました。全例、心房性頻脈性不整脈の検出のために埋込み型心電図モニタリングデバイスを受けました。追跡期間12ヶ月間、主要評価項目はアブレーションまたは抗不整脈薬開始後、91日後から365日後までの心房性頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、心房頻拍)の再発の初回記録としました。副次評価項目は症候性不整脈のない期間、心房細動負荷、生活の質等としました。結果、1年後、心房性頻脈性不整脈の再発は、アブレーション群154例中66例(42.9%)、抗不整脈薬群149例中101例(67.8%)、有意差(hazard ratio, 0.48; 95% confidence interval [CI], 0.35 to 0.66; P<0.001)を認めました。症候性心房性頻脈性不整脈は、アブレーション群11.0%、抗不整脈薬群26.2%(hazard ratio, 0.39; 95% CI, 0.22 to 0.68)でした。心房細動の時間割合の中央値はアブレーション群0%(interquartile range, 0 to 0.08)、抗不整脈薬群0.13%(interquartile range, 0 to 1.60)でした。重大有害事象はアブレーション群5例(3.2%)、抗不整脈薬群6例(4.0%)でした。症候性発作性心房細動の初回治療として、カテーテルクライオアブレーションは、抗不整脈薬投与と比べて、持続心電図リズムモニタリングによる評価の結果、心房細動の再発率は有意に低率でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2029980
心房細動の初回治療としてクライオアブレーションと抗不整脈薬を比較した「EARLY-AF」試験の結果、カテーテルアブレーションの優位性を示した報告です。クライオアブレーションとは冷却アブレーションのことで、カテーテルアブレーションを実施している施設では実施しているところが増えて来ました。詳しくは主治医へご相談ください。


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