2020/1/29、心房細動と認知機能障害との関係について調べた研究「Atrial Fibrillation and Cognitive Impairment: New Insights and Future Directions」の要旨をまとめました。

2020/1/29、心房細動と認知機能障害との関係について調べた研究「Atrial Fibrillation and Cognitive Impairment: New Insights and Future Directions」の要旨をまとめました。心房細動は最も有病率の高い不整脈の一つです。最近のエビデンスによると、心房細動は認知機能障害の進行、認知症の発症に関与している可能性が示唆されています。心房細動と認知機能の関係、心房細動と認知機能障害のメカニズムの可能性について調べました。1990年から2018年、PubMed、Scopus、Cochrane Library、Google Scholarにて、言語制限なし、系統検索を実施しました。研究デザイン、参加者情報、認知機能評価の診断アプローチ、認知機能障害、認知症の発症または有病率を評価しました。2364記事のうち、全40本の研究が選択されました。ほとんどの研究において、心房細動と認知機能障害の有意な関係性を示唆していました。脳低循環(cerebral hypo-perfusion)、代替脳血流(altered cerebral blood flow)、脳微小出血(cerebral micro-bleeds)、微小血栓(micro-emboli)、血管炎症(vascular inflammation)、脳症血管疾患(cerebral small vessel diseases)、遺伝的因子が心房細動と認知機能障害のメカニズムの可能性と考えられていました。研究設定、デザインの差、心房細動、認知機能障害の診断ツールのばらつき、年齢、基礎疾患、心房細動への治療介入等の違いによる差が考えられました。心房細動と認知機能障害の関係の多くのエビデンスにも関わらず、認知機能障害における心房細動の役割は、長期の前向き大規模コホート研究、正確な神経心理学的、認知機能評価にて確定の必要があります。さらに、心房細動とアルツハイマー病の関係のメカニズムについてはさらなる研究が必要です。結論として、認知機能障害における心房細動の治療戦略の違いの影響はさらなる臨床試験が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31262618
少し古い論文ですが、心房細動と認知症の関係について調べた系統解析です。その後、カテーテルアブレーションにて認知症リスク減少のエビデンスが出て来ており、心房細動と認知症の関係は確定的になって来ました。
「2020/10/6、心房細動に対するカテーテルアブレーション後の認知症発症リスクについて調べた研究「Less dementia after catheter ablation for atrial fibrillation: a nationwide cohort study」の要旨をまとめました。」
https://ochanomizunaika.com/19996


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