2020/11/6、心房細動と未診断の睡眠時無呼吸の有病率、治療の影響を調べた研究「Prevalence of Undiagnosed Sleep Apnea in Patients With Atrial Fibrillation and its Impact on Therapy」の要旨をまとめました。

2020/11/6、心房細動と未診断の睡眠時無呼吸の有病率、治療の影響を調べた研究「Prevalence of Undiagnosed Sleep Apnea in Patients With Atrial Fibrillation and its Impact on Therapy」の要旨をまとめました。心房細動、未診断の睡眠時無呼吸の有病率、睡眠時無呼吸治療のアドヒアランスの診断の影響を評価しました。睡眠時無呼吸は心房細動の修正可能な危険因子です。しかしながら、心房細動、未診断の睡眠時無呼吸の有病率、治療、診断の影響は十分にわかっていませんでした。心房細動、過去に睡眠時無呼吸の診断なし、心房細動アブレーションを予定している188例を対象に前向き研究を実施しました。家庭睡眠時無呼吸検査を施行、睡眠時無呼吸スクリーニング問診「STOP-BANG」、いびき、疲労感、倦怠感、日中の眠気、無呼吸の観察、睡眠時の呼吸停止、高血圧、BMI 35以上、年齢50歳以上、頸部周囲径40cm超、性別男性を評価、2年以上、治療、診断の影響を評価しました。結果、家庭睡眠時無呼吸検査188例中155例(82.4%)陽性、155例のうち、127例(82%)閉塞性優勢、28例(18%)中枢性との混合性でした。睡眠時無呼吸重症度は軽度43.8%、中程度32.9%、重度23.2%でした。「STOP-BANG」問診の感度81.2%、特異度42.4%でした。多変量解析の結果、「STOP-BANG」は睡眠時無呼吸の予測オッズ比54%、有意差なし(95% confidence interval: 0.17 to 1.76; p = 0.31)でした。持続陽圧呼吸の治療は、中等症から重症の睡眠時無呼吸85例中73%に開始、73例中68例(93.1%)中央値21ヶ月間の追跡期間後も残りました。睡眠時無呼吸は心房細動、アブレーション予定において高い有病率を認めました。心房細動において、睡眠時無呼吸の症状の予測能は限界があるため、多くの未診断例がある可能性があります。睡眠時無呼吸のスクリーニングは結果として持続陽圧呼吸の長期アドヒアランス高値と関連をしていました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33213809
心房細動と睡眠時無呼吸の関係で、82.4%が陽性であったという報告です。睡眠時無呼吸と心房細動の合併が多いことは経験的に感じていましたが、予想以上です。自覚症状による問診の予測精度がそこまで高くないとのことで、全例に睡眠時無呼吸のスクリーニング検査を行っても良いと感じました。詳しくは主治医へご相談ください。

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