2020/12/31、mRNA COVID-19ワクチン「BNT162b2]の安全性、有効性について調べた研究「Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine」の要旨をまとめました。

2020/12/31、mRNA COVID-19ワクチン「BNT162b2]の安全性、有効性について調べた研究「Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine」の要旨をまとめました。SARS-CoV-2感染症、COVID-19は世界的流行になっています。安全で有効なワクチンは緊急で求められています。16歳以上を対象、21日間を開けて2回接種、プラセボまたは「BNT162b2」ワクチン30μgに無作為化、国際プラセボ対照観察者盲検暫定的有効性試験を実施しました。「BNT162b2」は、融合前構造、膜固定SARS-CoV-2の完全長スパイクプロテインをコードした脂質微粒子配合、ヌクレオチド修飾RNAワクチンです。主要評価項目は検査確定COVID-19に対するワクチンの有効性、安全性としました。結果、全43548例、43448例注射、BNT162b2群21720例、プラセボ群21728例でした。2回投与後7日以降において、BNT162b2群8例、プラセボ群162例、COVID-19を発症しました。BNT162b2はCOVID-19予防の95%の有効性(95% credible interval, 90.3 to 97.6)でした。同様のワクチンの有効性(generally 90 to 100%)は、年齢、性別、人種、民族、登録時のBMI、併存疾患のサブグループにおいて認めました。1回目投与後に重症COVID-19は10例発症、プラセボ群9例、BNT162b2群1例でした。BNT162b2の安全性情報は短期、注射部位の軽度から中程度の痛み、倦怠感、頭痛でした。重大有害事象の発生率は低く、ワクチン群とプラセボ群で同様でした。BNT162b2の2回接種のレジメンは、16歳以上においてCOVID-19を95%予防しました。中央値2ヶ月の安全性は他のワクチンと同等でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2034577
2021/2/17、日本で投与開始となったファイザー/ビオンテック社のCOVID-19ワクチン「コミナティ」の論文です。「The New England Journal of Medicine」という医学雑誌で、信頼性は非常に高いです。生理食塩水投与のプラセボ群と比べてCOVID-19発症予防効果が95%であったという報告でこれは驚異的な数字です。重症化は10例に対し1例とn数は小さいですが重症化予防効果も示唆されています。懸念される副反応は注射部位の痛みが67.7-74.8%、重症アレルギーのアナフィラキシーは1000万人に50例、20万人に1例と報告されています。長期の安全性は誰もが気になるところですが、当然のことながら現時点では世界中どこにもデータがないのでわかりません。効果の持続期間も同様にわかりません。皮下注か筋注か、筋注のほうが見た目的に痛みが強そうに見えますが、先日インフルエンザワクチンをあえて筋注で打ってもらいましたが、痛みの違いはわかりませんでした。詳しくは忽那先生の詳しいページがありますのでご覧ください。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210214-00222168
厚生労働省にワクチン接種についてのページがありますが、まだリアルタイムで試行錯誤中の様子です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html
95%の予防効果はワクチンの有効性として非常に高いです。今後、日本への供給量、先行接種の順番、保管や物流の問題等ありますが、いずれにせよ、順番にワクチンを打って行き、最終的には日本人の90%以上がワクチン接種、集団免疫獲得し、結果、新型コロナウイルス終息、沈静化というシナリオが最も考えられるシナリオです。新型コロナウイルスの世界的流行開始から約1年、この生活は数年間は続くという仮説もありましたが、早くも終息への道筋が観えて来ました。人間も本気出すとやる時はやるという印象です。

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