2021/2/10、過体重、肥満の成人に対する週1回のセマグルチド投与について調べた研究「Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity」の結果が発表されました。

2021/2/10、過体重、肥満の成人に対する週1回のセマグルチド投与について調べた研究「Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity」の結果が発表されました。肥満はほどんど薬物療法の選択肢のない世界的健康課題です。肥満、成人、生活習慣介入に加えて、週1回のセマグルチド2.4mg投与が体重減少を達成するかどうかは十分にわかっていませんでした。体格指数30以上、27以上で体重関連併存疾患1つ以上あり、糖尿病なし、1961例を対象に、生活習慣介入に加えて、週1回セマグルチド2.4mg皮下投与68週間、プラセボを比較、二重盲検試験を実施しました。複数評価項目は、体重変化率、5%以上の体重減少としました。一次推定は治療中断、救助介入の有無に関わらずに影響を評価しました。結果、68週間後、登録時からの体重の平均変化はセマグルチド群-14.9%、プラセボ群-2.4kg、推定治療差-12.4%(95% confidence interval [CI], −13.4 to −11.5; P<0.001)でした。5%以上の体重減少達成は、セマグルチド群はプラセボ群と比べて高率(1047 participants [86.4%] vs. 182 [31.5%]), 10% or more (838 [69.1%] vs. 69 [12.0%]), and 15% or more (612 [50.5%] vs. 28 [4.9%]) at week 68 (P<0.001 for all three comparisons of odds)でした。68週間後、登録時からの体重変化は、セマグルチド群-15.3kg、プラセボ群-2.6kg、推定治療差-12.7kg(95% CI, −13.7 to −11.7)でした。セマグルチド群はプラセボ群と比べて、心臓代謝リスク因子の改善、自己報告身体機能の改善を高く認めました。吐気、下痢がセマグルチド群の最も頻度の高い有害事象で、典型的には一過性、重症度は軽度から中程度で、時間とともに軽快しました。セマグルチド群の多くの参加者はプラセボ群と比べて、胃腸事象のために治療中断(59 [4.5%] vs. 5 [0.8%])を認めました。過体重、肥満において、生活習慣介入に加えてセマグルチド2.4mg週1回投与は持続的、臨床的に意味のある体重減少と関連を認めました。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2032183
オゼンピック(セマグルチド)の減量効果について検証した「STEP 1」試験の結果です。体重減少-12.7kg、5%以上の体重減少86.4%、10%以上の体重減少68.1%、15%以上の体重減少50.5%、と劇的な効果を認めました。たかだ体重ですが、されど体重で、高血圧、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病は全て肥満は危険因子です。安易な減量薬は慎むべきという声も増えそうですが、肥満改善の結果、心血管疾患も減るのであれば立派な心筋梗塞予防薬です。日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/diabet/202103/569322.html

PAGETOP