厚生労働省が「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」とタイアップし、救急医療機関の適正受診の啓発を始めました。

厚生労働省が「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」とタイアップし、救急医療機関の適正受診の啓発を始めました。最近、休日や夜間における軽症の患者さんの救急医療への受診、いわゆるコンビニ受診が増加し、問題になっています。何が問題かと言うと、医療従事者や救急車というリソースは有限なので、緊急性の高い重症の患者さんの治療に支障を来すケースが、今実際に発生していることです。真に緊急を必要とする方の命を救うための救急車の適切利用と、時間外の医療機関の適正受診、一人ひとりの理解と協力が大切です。自分さえよければいいという考えで、自分だけではなく世の中の全員が行動すると社会は崩壊します。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/code-blue

当院も以前はコンビニ受診には非常に悩まされました。ただ便利だから、ただ空いているから、だた夜間も土日もやっているからという理由だけで患者さんが殺到してしまい、一時期は外来機能が麻痺してしまったことがありました。コンビニ受診問題に対しては、空間軸と時間軸の両面から対策を立てていく必要があると思います。まず、現時点におけるコンビニ受診対策として、本来は重症群を診るために診療している救急救命センターに軽症の方が殺到してしまうという問題に対して、救急救命センターが重症群の診療に専念出来るように軽症群を積極的に診るという理念を掲げた、いわゆる救急クリニック系は、地理的な最適化によって、救急医療の提供場所のミスマッチを解決するという意味で、これを空間的アプローチと呼ぶことが出来るかも知れません。もう一方は、時間的アプローチで、今ではなく将来の重症患者を減らそうという戦略で、明らかに重症化予防の打ち手が確立されている動脈硬化性疾患、具体的には心筋梗塞、脳卒中、慢性腎臓病等、リスク因子のうちに、適切な介入、治療継続をすることによって、将来の心血管疾患自体の発症を減らそうという試みで、時間軸という視野で救急受診を減らそうとしていることから、時間的アプローチと呼ぶことが出来るでしょう。お茶の水循環器内科は後者です。今年春に循環器専門に特化したのも、将来における時間軸で重症患者を減らしたいから、というのが理由です。興味深いのは、前者にとっては軽症者が救急救命センターに行かないように軽症群を積極的に診るというのが理念に適ったアクションになるのに対し、後者にとっては自宅療養で十分なものは自宅療養を促すことがアクションになります。目指すものはほとんど共通でもアプローチの仕方によって、アクションが正反対になるのは興味深いなあと考えたりします。長くなりましたのでこのへんで、病気は減らせれば減らすほど良いのです。また何か思い付いたら書きます。


【お茶の水循環器内科になりました】
お茶の水循環器内科院長の五十嵐健祐と申します。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、医療法人化に伴い、循環器専門の医療機関として生まれ変わりました。我々の使命は「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」です。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、血管を守ることで予防が可能です。血管を守るとは、具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続をすることです。そのためには、夜間も土日でも通院しやすいように、夜間も土日も診療をオープンにし、循環器疾患の一次予防、二次予防のために診療を行っています。
ミッション→https://ochanomizunaika.com/mission
しかしながら、我々の理念とは無関係に、ただ夜も空いていて便利だから、ただ土日もやっているからという理由だけで患者さんが殺到し過ぎてしまい、2018年冬、診療体制の継続が困難な事態に陥ってしまいました。2018年春、ゼロベースで、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもとに全ての診療体制の見直しを行い、2018年春には医療法人化に伴い、「お茶の水循環器内科」として循環器専門の医療機関に生まれ変わりました。今後とも夜間も土日も診療をオープンにし、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続、循環器疾患の一次予防、二次予防のために診療を行っています。心筋梗塞と脳卒中を防ぎ、「世の中から救えるはずの病気をなくすこと」、これが我々の使命です。詳しくは上記ページに医療法人社団お茶会のミッションをまとめましたのでご覧ください。新しく生まれ変わったお茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月1日、お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

当院は循環器専門の医療機関です。循環器とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、抗血小板療法、抗凝固療法、心房細動を始めとする不整脈、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、ステント留置後の管理、抗血小板療法
・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・人工弁置換術後の管理、抗凝固療法
・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、他)
・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・糖尿病、糖尿病合併症の管理
・慢性腎臓病
・睡眠時無呼吸症候群
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は脳神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、どちらも血管の故障の予防という意味では一次予防、二次予防としてやるべきことは循環器と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器の仕事です。

PAGETOP