「正しい医療情報の探し方」についてまとめました。
正しい医療情報の探し方→http://循環器内科.com/medicalinfo
【正しい医療情報の見付け方】
テレビや週刊誌、インターネット上で信頼性の低い医療情報が問題となっています。正しい医療情報を見付けるにはどのようにしたらよいでしょうか。医療情報の正しさは、科学的根拠、エビデンス(Evidence)、という概念によって判断します。正しい医療情報の見付け方、具体的に参考になる情報源として、論文検索から診療ガイドライン、大学病院や研究機関サイト、一般向けサイト、医師個人運営のサイト、まで具体的にまとめました。正しい医療情報をお探しの際には、ぜひご参考ください。
【エビデンスとは】
医療情報の正しさは、科学的根拠、エビデンス(Evidence)、に基付いて判断されます。なぜなら、「友人が言っていた」「テレビで芸能人が言っていた」「うちの地域では昔からこの治療法でやっている」「近くの知り合いに独自の治療法を奨められた」などは、信頼出来る情報か信頼出来ない情報か十分に検証がされておらず、正しい医療情報である保証がありません。医療も科学であるため、科学的に正しいかどうかを判断するための指標が、エビデンス、です。「豊富なエビデンスがある」「エビデンスが十分でない」「さらなるエビデンスの蓄積が望まれる」などのように使います。少し難しくなりますが、上図のように、エビデンスレベルというものが世界共通で取り決められています。最もエビデンスレベルが高いのは、ランダム化比較対照試験(Randomized controlled trial: RCT)を複数まとめたシステマティックレビュー(Systematic review)、メタアナリシス(Meta analysis)という解析手法の結果で、最も信頼出来る医療情報とされています。専門家の意見、個人の意見はどんなに権威がある人の発言であっても実は最もエビデンスレベルが低い医療情報という扱いになります。医師にも色々な医師がいること、論文も簡単に出せる論文もあることから、医師が監修しているから、論文に基づいているから、などだけで判断してはいけません。
【論文検索】
医療情報は理想的にはエビデンスレベルの高い一次情報に当たるのがベストです。論文検索はPubMed、医中誌(医学中央雑誌)という二つのサイトが有名で、世界中、日本中の医学論文のほとんどはここで検索出来ます。
・PubMed→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed
・医中誌Web→http://www.jamas.or.jp
ただし、検索にはある程度のコツがあること、全て医学論文の形式で書かれているため読解にある程度の慣れや医学知識が必要であること、基本的に全て英語で記述されていること、などから臨床医であっても自分の専門分野以外も含めて全部の論文に目を通すことは現実的ではありません。そこで、それぞれの分野の専門医たちが協力して、多数のエビデンスから重要なものをまとめた形で、二次情報として診療ガイドラインというものがあります。
【診療ガイドライン】
診療ガイドラインはそれぞれの分野の専門の医師たちが集まって、日本国内または国際的に標準的な診療指針をまとめたものです。まずはここに目を通しておくことで、標準的な医療情報を知ることが出来ます。日本国内では日本医療機能評価機構が運営する医療情報サービス、Mindsが有用です。また、日本循環器学会は全てのガイドラインを一般公開しています。
・Minds→http://minds.jcqhc.or.jp
・日本循環器学会→http://www.j-circ.or.jp
他の学会でもガイドラインは一般公開されていることも多いので、自分が知りたい疾患名、プラス「ガイドライン」という検索キーワードを入れて検索すると、多くの疾患で診療ガイドラインを読むことが出来ます。適当に疾患名や症状名のみで検索をするよりも遥かに信頼出来る情報を探すことが出来るでしょう。
【大学病院や研究機関のサイト】
大学病院や研究機関のサイトも有用です。例えば、国立循環器病研究センターが運営する循環器病情報サービス、国立感染症研究所の感染症情報のページ、慶應義塾大学病院が運営する医療健康情報サイト、KOMPAS(Keio Hospital Information & Patient Assistance Service)などは、しっかりとしています。
・国立循環器病研究センター→http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo
・国立感染症研究所→http://www.nih.go.jp/niid
・KOMPAS→http://kompas.hosp.keio.ac.jp
他にも厚生労働省や各都道府県、各地域の保健所などが公開している情報も有用です。検索時に「ac.jp」や「go.jp」などのドメイン指定で絞り込むことより、教育機関や政府機関などある程度信頼性が高いと考えられるサイト以外を非表示にすることが可能です。適当に疾患名や症状名のみでインターネット検索をするよりも遥かに信頼出来る情報を探すことが出来ると言えます。
【一般向けサイトや書籍】
製薬企業の自社の製品説明のサイト、広告主からの広告料で経営が成り立っている多くのメディア、その他企業が運営するサイトなどは、適当に検索して出て来るサイトの情報よりはおそらくよいのかも知れませが、何らかの情報バイアスが掛かっている可能性を排除出来ません。その中でも、運営方針として情報の中立的や信頼性を重要性しているサイトとして、いくつか下記ご紹介します。医学系の出版社が医療従事者向けに発行する書籍は、多くの場合、信頼出来るものが多いと思われます。一般向けの書籍ではなく、医師や薬剤師、看護師などの医療従事者向けに発行されていることが大事です。出版不況のせいか、売れればいい、全く標準的とは言えない独自の民間療法、記事広告と記事の明確な区別もない病院ラインキング本、偏った医療情報の本も増えて来てしまっていますので、書籍になっているからと言って信頼出来る情報であるとは一概には言えない時代になりましたので、注意が必要です。
・メディカルトリビューン→https://medical-tribune.co.jp
・メディカルノート→https://medicalnote.jp
・病気がみえるシリーズ→http://www.byomie.com
【医師個人運営のサイト】
医師個人でも有益な医療情報を積極的に発信している先生方は多数いらっしゃいます。手前味噌ですが、私も出来るだけわかりやすく正しい医療情報を伝えようという思いで、循環器内科.comというサイトを運営しています。私の診療スタイルや主観的な意見も入っていますので、エビデンスレベルの表で言うと個人の意見は最低ランクになってしまうのですが、普段どのような指針で診療してるか、頭の中でどのようなことを考えながら診療しているか、なるべく知っておいてほしいと思うこと、知っておくと役に立つと思うことを中心にまとめています。どうぞご覧ください。他にも同世代の医師や薬剤師を中心に有益な医療情報を発信しているものをまとめました。
・循環器内科.com→http://循環器内科.com
・腎臓内科.com→https://腎臓内科.com
・糖尿病(仮)→https://sou3.jp
・整形外科医.com→https://整形外科医.com
・画像診断.com→http://gazoushindan.com
・セルフメディケーション.com→http://セルフメディケーション.com
【かかりつけ医やかかりつけ薬剤師】
医療情報サイトも大事ですが、やはり身近に相談出来る専門家を持つことは大切です。どの情報が正しくて、どの情報が間違っているのか、情報洪水の社会だからこそ、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師を持つことの重要性が近年高まっています。症状のこと、病気のこと、検査や検査結果のこと、治療のこと、薬のこと、介護のこと、わからないことがあればお気軽に相談出来る専門家を持ちましょう。
【重要】ご来院前にご確認ください。
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。対象は狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。一般的な内科診療は行っていませんので予めご了承ください。都内の医療機関探しは東京都医療機関案内サービスひまわりをご活用ください。
東京都医療機関案内サービスひまわり:03-5272-0303
→https://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq13/qqport/tomintop
【お茶の水循環器内科】
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関になりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、心房細動等の心血管疾患の危険因子をコントロールすることで十分に予防可能です。心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続のために、お茶の水循環器内科は夜間も土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、これが当院のミッションです。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐
【具体的な診療範囲】
お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、慢性心不全等の循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理、抗凝固療法・心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、高血圧性心肥大、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療の適応の評価、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病、腎硬化症の管理、糖尿病性腎症の管理
・その他、健診後の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、一度なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。受付または主治医までお気軽にご相談ください。