2019/9/4(水)、日本においてラーメン屋の店舗数と脳卒中死亡率との関係を調べた生態学的研究「Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan: an ecological study」の結果をまとめました。自治医科大学の研究グループは、日本におけるラーメン屋の店舗数と脳卒中死亡率との関係を調べるために、NTT社(Nippon Telegraph and Telephone Corporation)のデータを用いて各都道府県ごとのラーメン、ファーストフード、フレンチ・イタリアン、うどん・ソバの4つの飲食店タイプの店舗数と、2017年の国民保険データによって年齢性別調整後の脳卒中死亡率、急性心筋梗塞との関係を解析しました。結果、ラーメン屋の店舗数(prevalence of ramen restaurants)のみが、他の飲食店の店舗数とは無関係に、男女とも脳卒中死亡率と正の相関(r > 0.5)が認められました。急性心筋梗塞については相関は認められませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
→https://nutritionj.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12937-019-0482-y
今回の自治医科大学の研究はユニークなアプローチですが、ラーメン屋の店舗数は地域住民の食生活の嗜好性を反映している可能性があることを考えると納得感もあります。ラーメンは確かに塩分、脂質、炭水化物ともに過剰摂取の傾向となりやすく、塩分、脂質、糖質の過剰摂取は直接的に高血圧症、脂質異常症、糖尿病の悪化因子であり、同時に脳卒中リスク因子です。お茶の水神保町にも美味しいラーメン屋がたくさんあります。食べ過ぎに注意しましょう。