2017/10/23（月）、週4回以上のサウナ習慣と肺炎リスクの減少について調べた研究「Frequent sauna bathing may reduce the risk of pneumonia in middle-aged Caucasian men: The KIHD prospective cohort study」の結果をまとめました。サウナ入浴の頻度と肺炎リスクとの関係を調べるために、フィンランドにおいて「KIHD study」（Kuopio ischemic heart disease risk factor study）の参加者、42歳から61歳の男性2210例を対象に、前向きコホート研究を行いました。25.6年間の追跡の結果、375例の肺炎が発生しました。年齢調整後の肺炎リスクは、サウナ入浴の回数が週1回以下の群と比べて、サウナの回数が週2-3回以上の群で33%低下（HR 0.67 95%CI 0.53-0.83）、週4回以上の群で47%低下（HR 0.53 95%CI 0.34-0.84）を認めました。年齢以外のリスク因子調整後の肺炎リスクは、31%減少（HR 0.69 95CI 0.55-0.86）、44%減少（HR 0.56 95CI 0.35-0.88）でした。さらに、エネルギー摂取量、社会経済的状態、身体活動、CPR値等を調整後も、肺炎リスクは28%（HR 0.72 95CI 0.57–0.90）、37%（HR 0.63 95CI 0.39–1.00）低下を認めました。中年白人男性（middle-aged male Caucasian population）において、サウナ入浴の頻度は肺炎リスクの減少と関係があることが明らかになりましたが、その生物学的機序はさらなる研究が必要、と論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29229091
サウナは高血圧、心血管疾患、脳卒中等において良い影響があることは以前調べましたが、感染症においても予防的な効果があることは驚きでした。暑い空気を吸い込んだりすることで肺や気管支に何か良い影響があるのでしょうか。
サウナの医学的エビデンスについては以前詳しくまとめました。興味がある方はご覧ください。
「サウナの健康への影響について医学的エビデンスをまとめました。」→https://ochanomizunaika.com/11655