2020/2/27(木)、カテーテルまたは外科的大動脈弁置換術の5年予後を比較した研究「Five-Year Outcomes of Transcatheter or Surgical Aortic-Valve Replacement: PARTNER 2 Investigators」の結果をまとめました。重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(transcatheter aortic-valve replacement: TAVR)と外科的大動脈弁置換術(surgical aortic-valve replacement: SAVR)を比較するために、52施設、中程度の手術リスクを持つ、重症かつ症候性の大動脈狭窄症2032例を対象に、経大腿動脈アプローチ76.3%、経胸腔アプローチ23.7%、心エコー所見、健康状態を5年間追跡しました。結果、全死亡、障害を伴う脳卒中は、TAVR群とSAVR群で有意差(47.9% and 43.4% HR 1.09 95%CI 0.95 to 1.25 P=0.21)を認めませんでした。経胸壁アプローチではTAVR群は、SAVR群と比較して高い(59.3% vs. 48.3%; hazard ratio, 1.32; 95% CI, 1.02 to 1.71)結果となりました。5年間の追跡では、TAVR群はSAVR群と比較して、軽度以上の大動脈弁周囲逆流(33.3% vs. 6.3%)、再入院(33.3% vs 25.2%)、大動脈弁への再介入(3.2% vs. 0.8%)を多く認めました。健康状態は同等でした。手術リスクが中等度の大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術の死亡または障害を伴う脳卒中は外科的大動脈弁置換術後と比較して有意差は認められませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1910555
PARTNER研究の追跡研究で、5年後も大動脈狭窄症に対するカテーテル治療の成績は悪くないという研究結果です。高齢者の大動脈弁狭窄症は手術リスクが高い場合も多いので、カテーテル治療という選択肢も考慮ということでしょう。詳しくは主治医までご相談ください。
2020/2/27(木)、カテーテルまたは外科的大動脈弁置換術の5年予後を比較した研究「Five-Year Outcomes of Transcatheter or Surgical Aortic-Valve Replacement: PARTNER 2 Investigators」の結果をまとめました。