2020/1/8(水)、慢性完全閉塞に対する冠動脈カテーテル治療のロボット補助の安全性と手技時間についての研究「Initial report of safety and procedure duration of robotic-assisted chronic total occlusion coronary intervention」の結果をまとめました。

2020/1/8(水)、慢性完全閉塞に対する冠動脈カテーテル治療のロボット補助の安全性と手技時間についての研究「Initial report of safety and procedure duration of robotic-assisted chronic total occlusion coronary intervention」の結果をまとめました。慢性完全閉塞(chronic total occlusion: CTO)に対して、ロボット補助(robotic-assisted: RA)による冠動脈カテーテル治療と、完全マニュアル(totally manual)による冠動脈カテーテル治療を比較するために、一枝の完全閉塞病変に対して冠動脈カテーテル治療が成功した95例、ロボット補助群49例(62%)、マニュアル群46例(48%)を比較しました。ロボット補助群のコックピット時間(cockpit time)は、術者がコックピットに入室してから手技が完了するまで、コントロール群のコックピット時間は病変へのガイドワイヤー通過後から手技完了までと定義しました。主要有害イベントは、死亡、心筋梗塞、臨床的穿孔、有意な血管解離、不整脈、急性血栓症、脳卒中と定義しました。結果、病変の特徴、手技時間、造影剤使用量は同等で、ロボット補助群では1例を除いてロボット補助のみで手技が成功しました。主要有害イベントの頻度は両群間で差がなく、院内死亡を認めませんでした。コックピット時間はロボット補助群で8分間長い(40.6 ± 12.7 vs 32.1 ± 17.8 p<0.01)結果となりました。ロボット補助による冠動脈カテーテル治療は主要有害イベントを増加させることはありませんでした。また、平均41分のコックピット時間は、放射線暴露ないか、放射線防護着の必要がありませんでした。詳しくは論文をご覧ください。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ccd.28477
ロボット補助PCIの安全性に関して初めての研究報告です。有害事象を増加させずに、術者の放射線暴露を減少させることが出来たという結果です。PCIにおける術者の被爆は以前から無視出来ない問題の一つであり、PCIのやり方もこれから変わっていくかも知れません。

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