2020/5/20、COVID-19アウトブレイクにおける急性虚血性脳卒中の機械的血栓回収療法について研究「Mechanical Thrombectomy for Acute Ischemic Stroke Amid the COVID-19 Outbreak: Decreased Activity, and Increased Care Delays」の結果をまとめました。

2020/5/20、COVID-19アウトブレイクにおける急性虚血性脳卒中の機械的血栓回収療法について研究「Mechanical Thrombectomy for Acute Ischemic Stroke Amid the COVID-19 Outbreak: Decreased Activity, and Increased Care Delays」の結果をまとめました。病院前治療連鎖反応の有効性、病院資源の適正化は、COVID-19アウトブレイクにおいて課題となっています。虚血性脳卒中が疑われ、機械的血栓回収療法(mechanical thrombectomy: MT)が必要となる例においても同様です。機械的血栓回収療法前向き全国データを収集、2020年の45日間の期間と、2019年の同じカレンダーの期間と比較しました。一次転帰は機械的血栓回収療法の件数、二次転帰は発症から画像検査まで、発症から治療開始までの治療遅延としました。解析のためにPoisson回帰モデルを使用しました。機械的血栓回収療法の件数、COVID-19の症例数との相関関係、Pearsonの相関係数を使用して解析しました。フランス、32施設、1513例のデータを収集しました。機械的血栓回収療法の件数は21%有意に減少(0.79; [95%CI, 0.76-0.82]; P<0.001)、画像検査、治療開始までの時間の遅延は有意に増加、全体で有意に増加(mean 144.9±SD 86.8 minutes versus 126.2±70.9; P<0.001)、搬送例においても有意に増加(mean 182.6±SD 82.0 minutes versus 153.25±67; P<0.001)を認めました。COVID-19入院数と機械的血栓回収療法の件数の間には有意に負の相関関係(R2 -0.51; P=0.04)を認めました。フランスにおいて、機械的血栓回収療法の件数が有意に減少、治療遅延の指標として注意が必要です。COVID-19パンデミックにおいても地域脳卒中ネットワークの整備の重要性であると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32432994
脳卒中の機械的血栓回収療法の件数が減り、かつ、発症から画像診断、発症から治療開始までの時間が有意に遅延しているというフランスからの報告です。病院へ受診、救急要請を躊躇してしまうのか、救急システムの問題なのか、脳卒中の治療は早ければ早いほど良いので、治療遅延は避けなければなりません。他の国からも治療遅延を問題視する報告が上がっています。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0529530376


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