2020/10/1、ヘテロ型家族性高コレステロール血症の小児におけるエボロクマブの有効性、安全性を調べた研究「Evolocumab in Pediatric Heterozygous Familial Hypercholesterolemia」の要旨をまとめました。エボロクマブは、PCSK9(proprotein convertase subtilisin–kexin type 9)に対する完全ヒトモノクローナル抗体で、成人のLDLコレステロール値低下のために広く使われています。小児のヘテロ型家族性高コレステロール血症に対する影響は十分にわかっていません。ヘテロ型家族性高コレステロール血症の小児に対して、エボロクマブの有効性、安全性を評価するために、24週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。10歳から17歳、少なくとも4週間の安定脂質低下療法後スクリーニング、LDLコレステロール値130mg/dL以上、中性脂肪値400mg/dL以下、エボロクマブ420mg月1回投与、プラセボ群とに無作為に割り振りました。主要評価項目は、24週間後時点におけるベースラインからLDLコレステロール値の変化率としました。副次評価項目は22週間後時点におけるLDLコレステロール値の変化率、24週間後時点におけるベースラインからのLDLコレステロール値の絶対変化値としました。結果、エボロクマブ群157例、プラセボ群53例、24週間後時点におけるLDLコレステロール値の変化率の中央値は、エボロクマブ群-44.5%、プラセボ群-6.2%、差-38.3%で有意差(P<0.001)を認めました。LDLコレステロール値の絶対差は、エボロクマブ群-77.5mg/dL、プラセボ群-9.0mg/dL、差-68.6mg/dLで有意差(P<0.001)を認めました。副次評価項目の脂質項目の結果は、エボロクマブ群はプラセボ群と比べて有意に改善を認めました。治療期間中の有害事象の発症率は、エボロクマブ群とプラセボ群で同様でした。家族性高コレステロール血症の小児を対象とした本試験から、エボロクマブはLDLコレステロール値を減らし、脂質項目を改善しました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2019910
抗PCSK9モノクローナル抗体エボロクマブ(レパーサ)の有用性です。LDLコレステロール44.5%減少は驚異的です。小児に使っても安全であったという報告です。
2020/10/1、ヘテロ型家族性高コレステロール血症の小児におけるエボロクマブの有効性、安全性を調べた研究「Evolocumab in Pediatric Heterozygous Familial Hypercholesterolemia」の要旨をまとめました。