2020/10/2、COVID-19流行におけるプライマリケアの受診頻度と診療内容について外来診療とテレメディスンを比較したアメリカの研究「Use and Content of Primary Care Office-Based vs Telemedicine Care Visits During the COVID-19 Pandemic in the US」の要旨をまとめました。

2020/10/2、COVID-19流行におけるプライマリケアの受診頻度と診療内容について外来診療とテレメディスンを比較したアメリカの研究「Use and Content of Primary Care Office-Based vs Telemedicine Care Visits During the COVID-19 Pandemic in the US」の要旨をまとめました。COVID-19流行とアメリカのプライマリケア提供の水準、診療内容の関係については十分にわかっていません。COVID-19流行と、プライマリケア提供の量、タイプ、診療内容について全国的変化を定量化、特に外来とテレメディスンを比較しました。アメリカ、2018年第1四半期と2020年第2四半期を、外来診療の2段階層別化全国代表監査、「IQVIA National Disease and Therapeutic Index」のデータから、連続断面解析を実施しました。外来形態、外来かテレメディスンか、受診集団、地理的地域の全体、層別化、血圧、コレステロール計測、処方の開始か継続かを評価しました。結果、2018/1/1から2019/12/31の8四半期において、アメリカにて、122.4百万回(95% CI, 117.3-127.5 million)、130.3百万回(95% CI, 124.7-135.9 million)のプライマリケア外来が発生、平均125.8百万回(95% CI, 121.7-129.9 million)、そのうちほとんど92.9%は外来受診でした。2020年第1四半期において117.9百万回(95% CI, 112.6-123.2 million)、第2四半期99.3百万回(95% CI, 94.9-103.8 million)、2018年、2019年第2四半期の平均と比べて、21.4%(27.0 million visits)減少しました。2020年第2四半期は、2018年、2019年第2四半期と比べて、外来受診50.2%(59.1 million visits)減少、一方で、テレメディスン受診は、2018年、2019年(1.4 million quarterly visits)1.1%から、2020年の第1四半期(4.8 million visits)4.1%、2020年第2四半期(35.0 million visits)の35.3%に増加しました。2020年第2四半期は、2018年、2019年第2四半期と比べて、血圧値の計測50.1%(44.4 million visits)、コレステロール値の計測36.9%(10.2 million visits)減少、テレメディスンは外来受診と比べて、血圧計測(9.6% vs 69.7% for blood pressure; P < .001)、コレステロール計測(13.5% vs 21.6% for cholesterol; P < .001)が有意に減少を認めました。2020年第2四半期の新規の処方は、2018年、2019年第2四半期の水準と比べて、26.0%(14.1 million visits)減少しました。テレメディスンの実施率は、白人、黒人とで同等(19.3% vs 20.5% of patient visits, respectively, in Q1/Q2 of 2020)、地域のばらつき(low of 15.1% of visits [East North Central region], high of 26.8% of visits [Pacific region])を認め、地域のCOVID-19流行状態とは相関関係を認めませんでした。COVID-19流行はプライマリケア提供の構造定期変化と関連、テレメディスン受診の診療内容は外来受診とは異なっていることが明らかになりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2771191
アメリカで、受診は全体で21.4%減少、テレメディスン受診の頻度は2020年前は1.1%であったものが、2020年第1四半期4.1%、2020年第2四半期35.3%、外来受診50.2%減少、受診は全体で21.4%減少、新規の薬剤処方26.0%減少と急速に変化しているという報告です。また、診療内容として血圧測定69.7%→9.6%、コレステロール測定21.6%→13.5%と有意に減少しており、診療の内容が外来受診とテレメディスンでは異なっているという結果でした。外来受診とテレメディスンで診療の質低下を懸念する声もありますが、診療の役割が違うと考えたほうが良いのではないかと感じました。


PAGETOP