2020/10/27、急性心筋梗塞、院外心停止の臨床、血管造影上の特徴について調べた日本の研究「Clinical and Angiographic Features of Patients With Out-of-Hospital Cardiac Arrest and Acute Myocardial Infarction」の要旨をまとめました。

2020/10/27、急性心筋梗塞、院外心停止の臨床、血管造影上の特徴について調べた日本の研究「Clinical and Angiographic Features of Patients With Out-of-Hospital Cardiac Arrest and Acute Myocardial Infarction」の要旨をまとめました。突然の心停止は急性心筋梗塞の重大な合併症です。心筋梗塞による院内心停止は低下していますが、心筋梗塞で院外心停止の死亡率は依然として高値のままです。しかしながら、急性心筋梗塞、院外心停止の特徴は十分にわかっていません。急性心筋梗塞、院外心停止あり例と急性心筋梗塞、院外心停止なし例、臨床的、血管造影上の特徴を明らかにするために、急性心筋梗塞、経皮的冠動脈形成術を受けた連続480例を対象に、後ろ向き解析を実施しました。院外心停止ありと院外心停止なしと比較しました。結果、院外心停止あり141例(29%)でした。多変量解析の結果、年齢(odds ratio [OR]: 0.8; 95% confidence interval [CI]: 0.7 to 0.9 per 5 years; p < 0.001)、推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate (OR: 0.8; 95% CI: 0.7 to 0.8 per 10 ml/min/1.73 m2; p < 0.001)、CK-MBピーク値(OR: 1.3; 95% CI: 1.2 to 1.4 per 102 U/l; p < 0.001)、カルシウムチャネル拮抗薬(OR: 0.4; 95% CI: 0.2 to 0.7; p = 0.002)、左主幹部冠動脈責任病変(OR: 5.3; 95% CI: 1.9 to 15.1; p = 0.002)、慢性完全閉塞病変(OR: 2.9; 95% CI: 1.5 to 5.7; p = 0.001)は、院外心停止と有意に関連を認めました。若年、カルシウムチャネル拮抗薬の非使用、腎機能低下、梗塞サイズの大きさ、責任病変が左主幹部冠動脈かどうか、慢性完全閉塞病変は院外心停止と関連を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33092729
急性心筋梗塞において院外心停止のリスクとして、年齢、腎機能、カルシウム拮抗薬、左主幹部病変、慢性完全閉塞病変が関連因子でした。急性心筋梗塞の連続症例480例のうち141例(29%)に院外心停止が発生していたとのことで、改めて急性心筋梗塞の致死率の高さを痛感します。


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