2021/2/23、心血管疾患の一次予防のためのアスピリン投与とCOVID-19感染の尤度比の関係について調べた研究「The use of aspirin for primary prevention of cardiovascular disease is associated with a lower likelihood of COVID-19 infection」の結果が発表されました。アセチルサリチル酸(アスピリン)は心血管疾患の一次予防、二次予防に頻繁に使用されています。アスピリンの投与はCOVID-19陽性例の良好転帰と関連があります。心血管疾患の一次予防のためのアスピリン投与はCOVID-19疑い、疾病期間に保護的な影響を持っているのではないかと仮説を立案しました。「Leumit Health Services」のデータベースからデータを利用、後ろ向き集団横断研究を実施しました。アスピリン投与の割合は、COVID-19陰性群と比べて、COVID-19陽性群で有意に低値(73 (11.03 %) vs. 1548 (15.77%); p=0.001)でした。アスピリン投与はアスピリン非投与と比べてCOVID-19感染の低い尤度比(adjusted OR 0.71 (95% CI, 0.52 to 0.99; p=0.041))と関連を認めました。アスピリン投与はアスピリン非投与と比べて、高齢(68.06 ± 12.79 vs. 56.63 ± 12.28 years of age; p<0.001)、低い体格指数(28.77±5.4 vs. 30.37±4.55; p<0.0189)、高血圧(56, 76.71%)、糖尿病(47, 64.38%)、慢性閉塞性肺疾患(11, 15.07%)の低い有病率(151, 25.64%, p<0.001; 130, 22.07%, p<0.001; and 43, 7.3%, p=0.023, respectively)を認めました。さらに、COVID-19疾病期間(COVID-19のRT-PCR検査結果で初回陽性、二回目に陰性となるまでの期間と定義)は、アスピリン投与はアスピリン非投与と比べて有意に短期(19.8±7.8 vs. 21.9± 7.9 p= 0.045)でした。COVID-19陽性入院例において、アスピリン投与は生存20例(19.05%)、死亡1例(14.29%)と、死亡例に比べ生存例の高い割合を認めましたが、この差は有意p=0.449)ではありませんでした。結論、COVID-19感染の尤度比、疾患期間、死亡率と一次予防のためのアスピリン投与との間には負の関係を認めました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33621437
アスピリンがCOVID-19に対して保護的に働くかも知れないというイスラエルからの報告です。本当かなあという印象ですが、アスピリンを中止はしなくて良いようです。
https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0315535621
2021/2/23、心血管疾患の一次予防のためのアスピリン投与とCOVID-19感染の尤度比の関係について調べた研究「The use of aspirin for primary prevention of cardiovascular disease is associated with a lower likelihood of COVID-19 infection」の結果が発表されました。