「本の街神保町を元気にする会」から「神保町が好きだ!第11号」が発行されました。

「本の街神保町を元気にする会」から「神保町が好きだ!第11号」が発行されました。神保町が好きだというネーミングの通り、神保町好きにはたまらないディープな情報が集まった一冊です。今回は特に、今年筑摩書房から発行された明治大学教授の鹿島茂先生著「神田神保町書肆街考」の特集です。

「神田神保町書肆街考」→http://amzn.asia/e5LGtQS

世界遺産的本の街の誕生から現在までという副題で、550ページを超える大書で、神田神保町の成り立ちを詳細に紐解いています。江戸時代、越中の戦国大名神保氏一族の旗本、神保長治(じんぼながはる)に由来、江戸時代には江戸幕府の洋学教育機関「蕃書調所(ばんしょしらべしょ)」が神保町に開かれ、その後の洋書調所、開成所、開成学校と、現在の東京大学へと歴史がつながっていいます。一ツ橋には現在の一橋大学の前身、東京商業学校、現在の東京外国語大学の前身、東京外国語学校が開校し、学生街が形成され始め、現在の古本屋街の成り立ちにつながっているという話、その後、東京大学が外国語教育を英語に一本化するという方針があり、英語以外の外国語を学びたい生徒、教員らが一緒になって、今の私立大学を立ち上げたという話しはとても興味深かったです。具体的には、ドイツ留学組が現在の日本大学の前身、日本法律学校を、フランス留学組が現在の明治大学の前身、明治法律学校、現在の法政大学の前身、東京法学校を、イギリス留学組が現在の中央大学の前身、英吉利法律学校を、アメリカ留学組が現在の専修大学の前身となる専修学校を立ち上げたと、本書の中では語られています。他には、中国人留学生が神保町界隈に集まり、「神保町中華街」が形成された話、映画ブームの時代には、神田パノラマ館、新声館、錦輝館、東洋キネマ、シネマパレス、銀映座、神田日活館、南明座、など神保町は映画館街であったようです。待合室に「神田神保町書肆街考」を一冊置いてありますので、どうぞお気軽に手を取って、魅力溢れる神保町ワールドをぜひ覗いてみてください。


 

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