「【禁煙】紙巻きタバコを加熱式タバコに変えたら「少しはマシ」なのか? 医者に聞いてみた」→https://rocketnews24.com/2018/03/12/1029850
ロケットニュースの禁煙に関する記事に執筆協力しました。ひょんなことからお知り合いになったロケットニュース記者の和才さんと禁煙について色々と話している際に、加熱式タバコってどうなのか?と質問を受けて、よく聞かれる質問でもあるので、医師の一人としてコメントをさせていただきました。禁煙については、おそらく全ての医師が理想は勿論禁煙であると答えるかと思います。なぜなら、加熱式タバコの禁煙効果は否定的というエビデンスもあるくらいで、加熱式タバコでもニコチンが含まれていることは変わりなく、ニコチンに依存している状態という根本的なところは解決していないからです。私の個人的意見としては、診察室で「加熱式タバコってどうなんですか?」「アイコスってどうなんですか?」と医師に聞くということは、少なからず煙草の害について自覚があるということ、少なくとも禁煙に対して全くの無関心ではなく、自身の健康行動について関心を持ち始めたことの現れであると私は解釈しています。
人間が行動変容を起こすプロセスとして、「行動変容のステージモデル」というものがあります。人間が行動変容を起こす時は、いきなり実行するか実行しないかではなく、実行の前に、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」と、5つのステージ、プロセスがあると言われています。「加熱式タバコってどうなんですか?」「アイコスってどうなんですか?」と聞かれたら、どうしてそのようなことを医師に聞こうと思ったのか?さらにもう一歩踏み込んで問診することで、その人の煙草への考えを一歩深く理解し、行動変容への関心はどの程度か、行動変容を起こす準備が出来ているかどうか、「行動変容のステージモデル」で言うところの、「無関心期」から「関心期」へ、「関心期」から「準備期」へ、支援することが大事です。もし、行動変容ステージモデルの「準備期」から「実行期」に進んでいると判断すれば、そこから実際の禁煙につながていければいいのではないかと考えています。そのような意味で、「禁煙に向けて一歩前進と言える」とコメントしました。行動変容ステージモデルについて詳しくは下記ページをご覧ください。
→https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html
また、加熱式タバコのメーカーは、タールの含有量が少ないと主張していますが、本当にタールの量が減っているのかどうか、検証した科学的なデータ、長期の安全性のデータはないというのが現状です。ニコチン依存症を根本的に治療する手段として禁煙外来があります。禁煙外来の禁煙成功率も100%という訳ではありませんし、勿論、自力での禁煙の成功率はゼロではありません。いずれにせよ、煙草の害を減らそうという試み、自身の生活習慣を見直そうと関心を持つこと、健康行動を起こそうとすることはよいことだと思います。
ロケットニュースの記事に協力するのは今回が3回目です。医療情報として正しさを損なわない範囲で、普段ほとんど医療情報など読まないような層にこそ医療情報を届けていくことも、医師の役割の一つではないかと考えています。少しでも禁煙に関心を持つ人が増えて、実際に禁煙に向けて行動変容を起こす人が増えれば幸いです。
当院は循環器専門の医療機関です。循環器科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、抗血小板療法、抗凝固療法、心房細動を始めとする不整脈、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器科の診療範囲を具体的にまとめました。
【循環器科の診療範囲】
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、ステント留置後の管理、抗血小板療法
・慢性心不全の管理
・心臓弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・人工弁置換術後の管理、抗凝固療法
・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、他)
・不整脈(上室期外収縮、心室期外収縮、房室ブロック、心房細動、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理、二次予防、再発予防
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・糖尿病、糖尿病合併症の管理
・慢性腎臓病
・睡眠時無呼吸症候群
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器です。脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、脳卒中は神経内科や脳神経外科が診ることも多いですが、血管の故障の予防という意味では一次予防、二次予防としてやるべきことは循環器科と共通です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も循環器病のリスク因子という点で循環器の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器の仕事です。
【循環器以外で対応しているもの】
循環器以外で対応しているものをまとめました。
【アンケート】お茶の水循環器科にやってほしいこと→https://goo.gl/thCnVu
アンケートの結果、ご要望の多いものに関しては出来る範囲でやっていく方針としました。確定診断、鑑別診断、専門的な治療、最先端の治療等、専門的な診療はそれぞれの専門科を受診ください。受付または医師の判断でご紹介となることもありますが、予めご了承ください。
・高尿酸血症、痛風
・肝機能障害(専門的な診療は消化器内科を紹介しています。)
・慢性胃炎や逆流性食道炎の継続処方(専門的な診療は消化器内科を紹介しています。)
・慢性便秘や整腸薬等の継続処方(専門的な診療は消化器内科を紹介しています。)
・過敏性腸症候群(過敏性腸症候群専門外来あり。)
・1型糖尿病の臨時処方または継続処方(糖尿病専門外来あり。)
・甲状腺疾患の継続処方(専門的な診療は内分泌内科等を紹介しています。)
・気管支喘息の長期管理薬の継続処方(専門的な診療は呼吸器内科を紹介しています。)
・通年性または季節性アレルギーの継続処方(専門的な診療はアレルギー科を紹介しています。)
・検診異常の再検査、専門医の紹介、他、
【アンケート】お茶の水循環器科にやってほしいこと→https://goo.gl/thCnVu
その他にお茶の水循環器科にやってほしいこと、アンケートを実施中です。出来ること、出来ないこと、ありますが、可能な限りご要望を反映して行きたいと考えています。ぜひご要望をお聞かせいただけますと嬉しいです。
【当院で対応していないもの】
下記に当院で対応していないものをまとめました。来院の前に必ずご確認ください。またご来院いただいても、原則的に適切な診療科のご紹介となることを予めご了承ください。下記、適切な診療科とともに具体的にまとめましたので、医療機関探しの際にご参考ください。
・発熱、インフルエンザ等→一般内科
・喉痛み、鼻づまり等→耳鼻咽喉科
・咳、痰等→呼吸器内科
・吐気、下痢、腹痛等→消化器内科
・アレルギー症状等→アレルギー科
・不眠、不安等→心療内科
・循環器とは無関係な健康相談等→総合診療科
・小児→小児科
・皮膚→皮膚科
都内の医療機関探しは、東京都医療機関案内ひまわり(☎ 03-5272-0303)をご活用ください。随時紹介状の発行も行っていますのでお気軽にご相談ください。当院は循環器専門の医療機関です。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。