2018/10/1(月)発行のクリニック総合情報誌「クリニックばんぶう」2018年10月号Vol.451に医療法人社団ナイズの白岡理事長とお茶の水循環器内科院長の五十嵐の対談記事が掲載されました。白岡亮平先生は慶應義塾大学医学部の先輩であるとともに、クリニック経営者としても先輩、筋肉トレーナーとしても先輩とトリプル先輩に当たります。対談テーマは「診療所のブランド戦略」とのことですが、私は開業以来、ブランディングを第一目標としたことは一度もなく、ブランドとは目標として狙うものではなく、信頼の結果として後から自然に着いて来るものであると考えているからです。クリニックの得意分野、目指すべきもの、存在意義、ミッションを明確化し、地域が求めるもの、顧客が求めるものに対してどのような付加価値を提供出来るのか、明示し、約束をし、裏切らないことが大事です。と言いつつも、私自身も決して最初から順調ではなく、現在に至るまでには様々な試行錯誤がありました。救急現場で血管疾患こそ予防可能であること、国立循環器病研究センターで「事件は病院内で起きてるんじゃない、病院外で起きているんだ」という気付き、治療継続負担の軽減のため利便性を中心価値とした「コンビニ診療」に大きく寄せて開業したのが4年前、その後本当に医療としての価値を提供しているのか、コンビニ診療を追求した先に目指すものはないのではないかと悩み、「コンビニ診療」から「地域密着」へと転換を図ろうとするも、すぐに「地域密着」だけでは提供価値として弱いことに気付き、ゼロベースで初心に返り、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」を軸に、お茶の水循環器内科に改称、循環器専門の医療機関として再スタートしたのが今年冬です。「コンビニ経済」の対極の「スナック経済」という概念をヒントに、循環器に特化することで「循環器疾患の患者さんから求められる医療」と「自分のやりたい医療」の両立を現在も日々模索し続けています。正解は一つではなく、クリニックの数だけクリニック経営者がいて、クリニック経営者の数だけクリニック経営の形があるのだと思います。それを評価するのは患者さんであり、地域であり、社会です。近未来的視点としては、疾病構造の変化、機械や人工知能の台頭、ドラッグストアやコメディカルとの広い意味での代替性も踏まえた時代の変化を捉え、医師としての本質的な仕事とは何か、危機感を持って次の時代の医療の姿を構想し、そこから求められる医療を逆算し、経営戦略を考えていく必要があると、そのようなことをお話しました。詳しくは「クリニックばんぶう」2018年10月号をご覧ください。
→http://www.jmp.co.jp/bamboo/new
「クリニックばんぶう」2018年10月号では他に、お茶の水循環器内科と診療所同士の連携でいつもお世話になっている心臓画像クリニック飯田橋の寺島正浩先生、短期間ですが五十嵐が以前非常勤医師を務めていた新宿駅前クリニックの蓮池林太郎先生、 デジタルハリウッド大学大学院で一緒にデジタルヘルスラボを運営している加藤浩晃先生、同時期開業組の心陽クリニックの石田陽子先生、在宅医療で有名な医療法人社団悠翔会の佐々木淳先生、九段下駅前まめクリニックの石川雅俊、など、多数の興味深い記事が盛り沢山です。待合室に一冊設置しておきますので、ご自由にご覧ください。
【具体的な診療範囲】