「循環器内科.com」に「心臓MRI」についてまとめました。

「循環器内科.com」に「心臓MRI」についてまとめました。

心臓MRI→http://循環器内科.com/cmr


【心臓MRIとは】

心臓MRI(Cardiac Magnetic Resonance Imaging: Cardiac MRI)とは、核磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging:  MRI)を使って、心臓の血管、冠動脈冠動脈(Coronary Artery)に異常がないか、心臓の筋肉、心筋に異常がないかを詳しく調べる検査です。心臓CTに対して、心臓MRIは撮影や解析に高いスキルが要求される検査ですが、放射線被曝がないこと、ヨード造影剤を使わないこと、心筋、弁、心機能なども詳細に評価が可能であること、などが利点です。詳しくは国立循環器病研究センターのページをご覧ください。

http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph64.html

【心臓MRIの特徴】

心臓の病気には様々な病気がありますが、大きく、心臓の血管、冠動脈に異常がある病気、心筋そのものに異常がある場合、心臓の弁に異常がある場合、心臓の動き、脈に異常がある場合、その他、と大きく5つに分類されます。

(1)冠動脈疾患:狭心症、心筋梗塞、虚血性心疾患

(2)心筋症:肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症、その他の心筋症

(3)弁膜症:僧帽弁狭窄症、大動脈弁狭窄症、僧帽弁逆流症、大動脈弁逆流症、他、

(4)不整脈:期外収縮、心房細動、上室性頻拍、心室頻拍、心室細動、他

(5)その他の心疾患、心サルコイドーシス、先天性心疾患、心筋炎、感染症心内膜炎、他

心臓MRI、冠動脈MRA(Coronary Magnetic Resonance Angiography: Coronary MRA)、ガドリニウム造影剤による造影MRIを組み合わせることによって、心疾患全般の詳細な評価が可能です。造影心臓MRIによる遅延造影(Late Enhanced)という所見は虚血性心疾患、陳旧性心筋梗塞の検出、虚血や梗塞の鑑別や判定に有用です。放射線を使わない検査であるため、何度も繰り返し検査可能である点も利点でしょう。採血、心電図、ホルター心電図、心エコー、心臓CT、心臓カテーテル検査、とさらに必要な検査を追加していくこともあります。

【心臓MRIの費用や時間】

保険適応の場合、3割負担で、1万2千円程度です。時間は検査自体は45分くらい、全体で120分前後あれば大丈夫でしょう。心エコー、ホルター心電図、心臓MRIなど他の検査を追加する場合はそれぞれ追加の検査代、時間が掛かります。また、特に何も症状はないけれどなんとなく心臓が心配という場合、保険適応外で心臓ドックとなり、ドックの費用が掛かります。

【心臓MRIの注意事項】

・強力な磁場を使う検査です。MRI検査室には原則として金属や磁性体が含まれているものは持ち込めません。心臓ペースメーカー、埋め込み型除細動器、脳動脈瘤クリップ、人工関節、イレズミなど、体内に金属や電子機器が埋め込まれている場合、検査が出来ないか、MRI対応可能なものか機種の確認が必要になります。メガネ、コンタクトレンズ、下着のワイヤー、指輪、ネックレス、時計、財布、携帯電話、入れ歯、カイロ、エレキバン等、金属や磁性体の含まれるものは全て身体から外す必要があります。

・詳細な心臓の評価のため造影剤を使う場合があります。造影剤アレルギーがあったり、中等度以上の腎機能障害など、造影剤を使えない理由がある場合、気管支喘息、アレルギー体質、妊娠中、妊娠の可能性がある場合も程度によっては注意です。造影剤と相性の悪い薬もありますので、必ず主治医に確認ください。

・MRI検査中は大きな音がします。閉所恐怖症の方は程度にもよりますが検査が難しい場合があります。不整脈や頻脈の場合、体動や不随意運動を制御出来ない場合、30秒間程度の息止め指示等に従えない場合は十分な精度の検査が出来ない場合があります。不整脈や頻脈に関しては抗不整脈薬等である程度コントロール可能です。

・症状、既往歴、禁忌事項、その他様々な背景因子から、心臓CT、心臓カテーテル検査、ホルター心電図検査、心エコー検査など他の検査の適応と判断される場合もあります。

【心臓MRI検査の流れ】

お茶の水循環器内科では主に「心臓画像クリニック飯田橋」さんに心臓画像検査を依頼しています。

心臓画像クリニック飯田橋→http://www.cviclinic.com

1、お茶の水循環器内科から検査の予約を取ります。営業時間外の場合はご自身でご予約の取り方をご説明します。その際に検査の注意事項、前日、当日の確認事項を説明します。

2、予約当日、飯田橋にある心臓画像クリニックに向かいます。予約時間の30分前までには到着するようにしましょう。受付後の流れをざっくり言うと、問診、検査の説明、注意事項の確認、着替え、待合室で検査を待ちます。検査の順番になったら検査室に呼ばれます。心臓MRI自体は45分間程度です。検査後はその日のうちに医師から検査結果の説明があります。もし緊急で対応が必要な状態であると判断された場合は、速やかに適切な医療機関へご紹介という体制です。詳しくは心臓画像クリニックさんのページをご覧ください。

http://www.cviclinic.com/flow.html

3、お茶の水循環器内科に検査結果の報告書が届きますので、後日説明を聞きにいらっしゃってください。異常なしであれば異常なしという説明、治療が必要であれば適宜適切な治療、追加の検査が必要であれば適宜その手配と、それぞれ診察を進めていきます。

【まとめ】

心臓MRIは外来で可能な心臓の検査のうち最も詳しい検査の代表です。心筋梗塞、狭心症といった冠動脈疾患だけでなく、心筋、弁、心機能などの詳細な評価が可能です。低リスクの場合には心疾患の除外に有用です。放射線を使わない検査ですので、定期的に繰り返し検査をすることも問題はありません。まずは主治医までご相談ください。


【お茶の水循環器内科になりました】

2018年9月、お茶の水循環器内科は5年目を迎えました。当院は2014年秋、「心血管疾患の一次予防」を理念に神田小川町にてスタートしました。2016年春、現在の神田神保町にお引越し、2018年春、「その医療は心筋梗塞を減らすだろうか?」という行動規範のもと、循環器専門の医療機関に生まれ変わりました。世の中には救える病気とそうでない病気があります。その中で、心筋梗塞と脳卒中は血管の故障が原因であり、心血管疾患の危険因子をコントロールすることで予防が可能です。具体的に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、心房細動、慢性腎臓病等の心血管疾患の危険因子に対して適切な治療介入と治療継続をすることが重要で、そのために夜間や土日も診療をオープンにしています。心筋梗塞と脳卒中を防ぐこと、「心血管疾患の一次予防」、これが我々の使命です。お茶の水循環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月1日、お茶の水循環器内科院長五十嵐健祐

【具体的な診療範囲】

お茶の水循環器内科は循環器専門の医療機関です。循環器内科とは心臓と血管を専門に診る診療科です。具体的には、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、心房細動を始めとする不整脈、心血管疾患の危険因子としての高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、慢性心不全などの循環器疾患です。循環器内科の診療範囲を具体的にまとめました。
・冠動脈疾患(急性心筋梗塞、労作性狭心症、他)
・心筋梗塞後、抗血小板療法、ステント留置後の管理、バイパス術後の管理
・慢性心不全の管理
・弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、他)
・弁置換術後の管理、弁形成術後の管理
・心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、他)
・大動脈瘤、大動脈解離後の管理
・不整脈(心房細動、房室ブロック、上室期外収縮、心室期外収縮、他)
・心房細動の抗凝固療法、心原性脳塞栓症の予防、アブレーション治療後の管理
・脳卒中、脳血管障害、脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症)、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、脳卒中後の管理
・高血圧症、二次性高血圧症
・脂質異常症、家族性高コレステロール血症
・2型糖尿病、1型糖尿病、糖尿病合併症の管理、インスリン管理
・慢性腎臓病
・その他、健診の再検査、食事指導、運動指導、禁煙外来、など
以上、心臓と血管を専門に診る診療科が循環器内科です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等の生活習慣病も心血管疾患の危険因子として循環器内科の守備範囲です。心筋梗塞や脳卒中にならないようにする、なってしまっても再発しないようにする、というのが循環器内科の仕事です。予防に勝る治療はありません。主治医までご相談ください。

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