2019/12/10(火)、イルベサルタンのマルファン症候群への効果を検討した研究「Irbesartan in Marfan syndrome: a double-blind, placebo-controlled randomised trial」の結果をまとめました。

2019/12/10(火)、イルベサルタンのマルファン症候群への効果を検討した研究「Irbesartan in Marfan syndrome: a double-blind, placebo-controlled randomised trial」の結果をまとめました。マルファン症候群とは遺伝的に全身の結合組織に脆弱性を生じる先天性疾患で、循環器領域では大動脈瘤や大動脈解離等の大動脈病変が問題となります。イギリスにおいてマルファン症候群192名を対象にアンギオテンシンII受容体阻害薬イルベサルタンの効果を検証するために、全例にイルベサルタン75mg投与、その後、イルベサルタン150mgを継続する群とプラセボ群に分け、中央値で4年間追跡しました。結果、イルベサルタン群で大動脈起始部拡張の抑制に有意差(0.53 vs 0.74 mm、p=0.03)を認めました。イルベサルタンは結合組織の増殖等に関わるトランスフォーミング増殖因子(Transforming Growth Factor-β: TGF-β)阻害作用があると言われており、標準治療としてのβブロッカーに上乗せを検討しても良いとまとめられています。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)32518-8/fulltext
マルファン症候群に限らず、大動脈瘤や大動脈拡張を認める場合にまずはβブロッカーを投与しますが、ARB、スタチンを併用していくことで進行抑制効果を期待したいところです。詳しくは主治医までご相談ください。

PAGETOP