2019/11/5(火)、急性冠症候群疑いにおけるトロポニンTの1時間プロトコールについて検討した研究「A Randomized Trial of a 1-Hour Troponin T Protocol in Suspected Acute Coronary Syndromes: The Rapid Assessment of Possible Acute Coronary Syndrome in the Emergency Department With High-Sensitivity Troponin T Study: RAPID-TnT」の結果をまとめました。

2019/11/5(火)、急性冠症候群疑いにおけるトロポニンTの1時間プロトコールについて検討した研究「A Randomized Trial of a 1-Hour Troponin T Protocol in Suspected Acute Coronary Syndromes: The Rapid Assessment of Possible Acute Coronary Syndrome in the Emergency Department With High-Sensitivity Troponin T Study: RAPID-TnT」の結果をまとめました。高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の早期検出に頻繁に使われています。オーストラリアにおいて2015年から2019年まで救急外来を受診した急性冠症候群疑い3378例に対して、不適合と非同意の90例を除いて、高感度心筋トロポニンを用いた0/1時間プロトコールで管理する群1646例、従来通りの0/3時間プロトコールで管理する群1642例に分けて、30日間追跡しました。0/1時間プロトコールでは救急外来からの帰宅率が多く(45.1% vs 32.3%、P<0.001)、救急外来の滞在時間中央値が短く(4.6時間 vs 5.6時間、P<0.001)、心機能検査の実施が少ない(7.5% vs 11.0%、P<0.001)という結果となりました。0/1時間プロトコール群で心筋障害の増加が見られましたが、30日以内の死亡と心筋梗塞の発生は、0/1時間プロトコール群17例(1.0%)、0/3時間プロトコール群16例(1.0%)と非劣性(非劣性のP=0.006、優劣性のP=0.867)を認めました。30日後の死亡と心筋梗塞に対しての陰性適中率は99.6% (95%CI 99.0–99.9%)と、安全性は高いとまとめられています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.042891
急性冠症候群の診療において心筋トロポニン検査は非常に強力なツールです。今回の研究では1時間または3時間の経過観察期間を置いて2回検査をするというプロトコールで、1時間の経過観察でも安全に心筋梗塞を除外出来たという研究でした。クリニックの外来において2回採血検査をすることは現実的ではない面もあり、トロポニン陽性またはトロポニン陰性であっても急性冠症候群が強く疑われる場合は早期に冠動脈カテーテル検査が可能な施設へ搬送しています。トロポニンは高い陰性適中率を持つので除外診断にも優れています。お茶の水循環器内科ではいつでも迅速に診断が出来るように院内に常にトロポニン迅速検査を用意しています。詳しくは主治医までご相談ください。

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