2019/12/27(金)、PM2.5と脳卒中の関係を調べた中国の研究「Long term exposure to ambient fine particulate matter and incidence of stroke: prospective cohort study from the China-PAR project」の結果をまとめました。PM2.5(particulate matter of diameter <2.5 μm)とは、大気中に浮遊している粒子状物質で、大きさが2.5μmよりも小さいものです。今回、PM2.5の長期暴露と全脳卒中、虚血性脳卒中、出血性脳卒中の関係を調べるため、China-PAR project(Prediction for Atherosclerotic Cardiovascular Disease Risk in China)の登録者11万7575例を対象に、2000年から2015年の登録者所在地におけるPM2.5平均値は64.9 μg/m3(31.2 μg/m3-97.0 μg/m3)で、追跡期間中に3540例の脳卒中が発生、2230例(63.0%)は虚血性脳卒中で、973例(27.5%)は出血性脳卒中でした。PM2.5暴露が少ない群(PM2.5 <54.5 μg/m3)と比べて、PM2.5暴露が多い群(PM2.5 >78.2 μg/m3)は、脳卒中発症リスクが53%増加(HR 1.53 95%CI 1.34 to 1.74)を認めました。内訳は虚血性脳卒中82%(1.82 95%CI 1.55 to 2.14)、出血性脳卒中(1.50, 1.16 to 1.93)でした。PM2.5の曝露量が10 μg/m3増加するごとに、脳卒中リスクが13%上昇(HR 1.13 95%CI 1.09 to 1.17)するという、ほぼ線形の暴露反応関係(almost linear exposure-response relations)を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.bmj.com/content/367/bmj.l6720
PM2.5がどうして脳卒中を増やすのか作用機序は明らかになってはいませんが、暴露量と脳卒中の発症との間に量反応関係を認めることからリスク因子の一つであることがわかりました。
2019/12/27(金)、PM2.5と脳卒中の関係を調べた中国の研究「Long term exposure to ambient fine particulate matter and incidence of stroke: prospective cohort study from the China-PAR project」の結果をまとめました。