2020/2/11(火)、非ST上昇型急性心筋梗塞において冠動脈CT検査と冠動脈カテーテル検査の診断精度について比較した研究「Coronary CT Angiography in Patients With Non-ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndrome」の結果をまとめました。

2020/2/11(火)、非ST上昇型急性心筋梗塞において冠動脈CT検査と冠動脈カテーテル検査の診断精度について比較した研究「Coronary CT Angiography in Patients With Non-ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndrome」の結果をまとめました。非ST上昇型急性心筋梗塞(non–ST-segment elevation acute coronary syndrome: NSTEACS)において、冠動脈CT血管造影(coronary computed tomography angiography: CTA)は50%以上の冠動脈狭窄を除外する目的に使えるかどうかを調べるために、VERDICT(Very Early Versus Deferred Invasive Evaluation Using Computerized Tomography in Patients With Acute Coronary Syndromes)trialの参加者で、非ST上昇型急性心筋梗塞の診断確定を受けた1023例を対象に、侵襲的な冠動脈カテーテル造影検査を12時間以内に行う早期群583例と48-72時間以内に行う対照群440例に分け、その後盲検にて両群とも冠動脈CT検査を行いました。50%以上の冠動脈狭窄の診断能を、冠動脈カテーテル検査と冠動脈CT検査で比較、評価しました。50%以上の冠動脈狭窄は冠動脈CTで68.9%、冠動脈カテーテル検査で67.4%に見付かりました。陰性的中率(negative predictive value: NPV)は90.9%(95%CI 86.8% to 94.1%)、陽性的中率(positive predictive value)は87.9%(95%CI 85.3% to 90.1%)、感度96.5%(95%CI 94.9% to 97.8%)、特異度72.4%(95%CI 67.2% to 77.1%)でした。陰性的中率は、患者背景、臨床的リスク背景の影響を受けず、早期検査群と標準検査群で同等でした。非ST上昇型急性心筋梗塞において冠動脈CTは除外診断に高い診断精度を有していることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32029126
冠動脈CTの診断精度に関する研究結果です。感度96.5%、特異度72.4%、陽性的中率87.9%、陰性的中率90.9%というデータは非常に高い診断精度ということを意味します。陰性的中率90.9%という数字は、90.9%の精度で冠動脈カテーテル検査を受けずに冠動脈CTのみで非ST上昇型急性心筋梗塞なしと診断可能という意味です。必要と判断した場合は、冠動脈カテーテル検査を追加する場合があります。詳しくは主治医までご相談ください。

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