2020/2/15(土)、心房細動患者が冠動脈カテーテル治療を受ける場合の抗血栓療法についてのメタ解析「Meta-analysis of Antithrombotic Therapy in Patients With Atrial Fibrillation Undergoing Percutaneous Coronary Intervention」の結果をまとめました。

2020/2/15(土)、心房細動患者が冠動脈カテーテル治療を受ける場合の抗血栓療法についてのメタ解析「Meta-analysis of Antithrombotic Therapy in Patients With Atrial Fibrillation Undergoing Percutaneous Coronary Intervention」の結果をまとめました。心房細動患者が冠動脈カテーテル治療を受ける場合の抗血栓療法について、抗凝固薬、抗血小板薬をどのように使うのが良いか、至適な方法は明確ではありません。様々な抗血栓療法の有効性と安全性について、PUBMED、EMBASE、2019年までの研究を検索したところ、5つの研究、合計1万115332例のメタ解析を行いました。9種類の抗血栓療法のパターン、ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)と抗血小板薬2剤併用療法またはP2Y12阻害薬(クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル)の組み合わせ、直接経口抗凝固薬(アピキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン、エドキサバン)と抗血小板薬2剤併用療法またはP2Y12阻害薬の組み合わせ、それぞれについて、安全性のアウトカムとして出血、有効性のアウトカムとして主要心血管イベントとしました。結果、ビタミンK拮抗薬+抗血小板薬2剤併用療法の組み合わせ(VKA+DAPT)は他のほとんどの治療に比べて有意に出血が増加(例えばVKA+P2Y12阻害薬併用と比べて、OR 2.11 95%CI 1.76 to 2.52 p<0.001)を認めました。全ての組み合わせの中で、アピキサバンとP2Y12阻害薬の組み合わせは最も出血リスクが低下(例えば、VKA+P2Y12阻害薬併用と比べて、OR 0.63 95%CI 0.51 to 0.78 p<0.001)を認め、最善の治療に位置付けられました。主要心血管イベントのうち虚血アウトカムにおいては抗血栓療法において有意差を認めませんでした。心房細動患者で冠動脈カテーテル治療を受ける場合には、アピキサバンとP2Y12阻害薬の組み合わせが、他の直接経口抗凝固薬も含む抗血栓療法のレジメンと比べて、出血リスクが最も低く、かつ、虚血イベントも増加させないことがわかりました。
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(19)31316-5/fulltext
心房細動かつ冠動脈カテーテル治療を行う場合の抗血栓療法については、有効性、安全性をいかに両立させるかが重要です。このたび、アピキサバン(エリキュース)とクロピドグレル(プラビックス)、プラスグレル(エフィエント)、チカグレロル(ブリリンタ) の組み合わせが一番安全性が高いかも知れないということがわかり、今後の抗血栓療法を見直す大きな結果となりました。

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