2020/1/1(水)、2型糖尿病におけるフラッシュグルコースモニタリングシステムの有用性について調べた研究「Use of professional-mode flash glucose monitoring, at 3-month intervals, in adults with type 2 diabetes in general practice (GP-OSMOTIC): a pragmatic, open-label, 12-month, randomised controlled trial」の結果をまとめました。持続的なグルコースのモニタリングは、日々のグルコース変動を明らかにし、2型糖尿病の管理にガイドを提示してくれますが、実臨床における3ヶ月ごとの外来受診において、効果があるかどうかを検討するために、12ヶ月のオープンラベルの無作為化比較対照試験を実施しました。2016年から2017年、オーストラリア、ビクトリアの25の施設で、18歳から80歳の2型糖尿病299例を対象に、フラッシュグルコースモニタリング(flash glucose monitoring: FGM)のprofessional-modeを使用、15分ごとにグルコース濃度を測定、最大14日分記録、記録データは自分で見ることは出来ず、3ヶ月ごとの外来受診時に主治医からフィードバックを受けます。FGM使用群149例は、開始時、3ヶ月後、6ヶ月後、9ヶ月後、12ヶ月後にFGMを使用、対照群150例は開始時と12ヶ月後のみFGM使用しました。追跡の結果、6ヶ月後の時点におけるHbA1cはFGM使用群で有意に低下(群差 −0·5% 95%CI −0.8% to −0.3% p=0·0001)を認めました。しかしながら、12ヶ月後の時点(8.2% 95%CI 8.0 to 8.4 vs 8.5% 95%CI 8.3 to 8.7)では差を認めませんでした。12ヶ月後の目標グルコース範囲を達成している時間割合(Mean percentage time spent in target glucose range)は7.9%有意差(95%CI 2.3 to 13.5 p=0.0060)を認めました。2型糖尿病に対するProfessional-modeでのフラッシュグルコースモニタリングは12ヶ月後のHbA1cを改善させませんでしたが、6ヶ月後のHbA1cと、12ヶ月後の目標グルコース範囲を達成している時間を改善させました。個々のグルコース変動を知ることで、パーソナライズドされた治療をサポートするテクノロジーの潜在可能性を反映しているかも知れないと論文ではまとめています。この研究は、オーストラリアNational Health and Medical Research Council、サノフィ社、アボット社からの資金提供を受けています。詳しくは論文をご覧ください。
→https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(19)30385-7/fulltext
いわゆる、Abbottの「FreeStyleリブレPro」の研究で、一次エンドポイントの改善を認めませんでした。個々の患者さんによっては、フリースタイルリブレの導入によって、日々の食事や運動に自分の血糖変動を知ることが出来、血糖コントロールの改善に良さそうな例を経験していますが、全体としては差は出なかったという結果です。リブレは有用なツールではありますが、向き不向きを見極める必要があるのではないかと感じています。自分で血糖を見れない設定のプロフェッショナルモードであったことも関係しているかも知れません。お気軽に主治医までご相談ください。
2020/1/1(水)、2型糖尿病におけるフラッシュグルコースモニタリングシステムの有用性について調べた研究「Use of professional-mode flash glucose monitoring, at 3-month intervals, in adults with type 2 diabetes in general practice (GP-OSMOTIC): a pragmatic, open-label, 12-month, randomised controlled trial」の結果をまとめました。