2020/2/7(金)、心房細動に対する抗凝固療薬内服中の消化管出血と大腸癌との関係について調べた研究「Gastrointestinal bleeding and the risk of colorectal cancer in anticoagulated patients with atrial fibrillation」の結果をまとめました。

2020/2/7(金)、心房細動に対する抗凝固療薬内服中の消化管出血と大腸癌との関係について調べた研究「Gastrointestinal bleeding and the risk of colorectal cancer in anticoagulated patients with atrial fibrillation」の結果をまとめました。消化管出血(Gastrointestinal bleeding :GI-bleeding)は、心房細動に対して経口抗凝固療法(oral anticoagulation: OAC)中にしばしば見られますが、偶発的に大腸癌の発見との関係を明らかにするために、デンマークにおいて、経口抗凝固療法中の心房細動125418例を対象に、最大3年間追跡しました。結果、2576例の下部消化管出血を認め、その後1年以内に140例が大腸癌と診断されました。1年間の大腸癌の絶対リスクは、65歳以下で3.7%(95%CI 2.2–6.2)、76歳から80歳では8.1%(95%CI 6.1–10.6)と見積もられました。下部消化管出血がない場合と比べると、大腸癌のリスク比は65歳以下で24.2倍(95%CI 14.5–40.4)、85歳以上で12.3倍(95%CI 7.9–19.0)でした。心房細動で抗凝固療法中の場合の下部消化管出血は、抗凝固療法の結果と片付けずに、悪性疾患の可能性を常に念頭に置くべきであると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehz964/5728596
抗血栓療法中の消化管出血を見たら悪性疾患の可能性を精査すべしという教訓です。抗血小板薬バイアスピリンでも同様の報告があります。大腸癌は早期に発見出来れば予後は悪くないので、消化管出血を認める場合には下部消化管内視鏡等をためらわないようにしましょう。

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