2020/1/8(水)、お茶の摂取が動脈硬化性心血管疾患と死亡率へ与える影響を調べた研究「Tea consumption and the risk of atherosclerotic cardiovascular disease and all-cause mortality: The China-PAR project」の結果をまとめました。

2020/1/8(水)、お茶の摂取が動脈硬化性心血管疾患と死亡率へ与える影響を調べた研究「Tea consumption and the risk of atherosclerotic cardiovascular disease and all-cause mortality: The China-PAR project」の結果をまとめました。お茶の摂取(tea consumption)と、動脈硬化性心疾患(atherosclerotic cardiovascular disease)、全死亡(all-cause mortality)の関係を調べるために、1998年から「China-PAR」研究に登録された中国人10万902例を対象に、お茶の摂取は定型化された質問表によって、転帰は参加者への問診調査、入院記録の照合、死亡証明書等のデータによって同定しました。中央値7.3年の追跡期間中、3683例の動脈硬化性心血管疾患、1477例の動脈硬化性心血管疾患死、5479例の死亡が記録されました。解析の結果、お茶を飲む習慣がない群と比べて、お茶を飲む習慣がある群は、動脈硬化性心血管疾患20%減少(HR 0.80 95%CI 0.75–0.87)、動脈硬化性心血管疾患死亡22%減少(HR 0.78 95%CI 0.69–0.88)、全死亡15%減少(HR 0.85 95%CI 0.79–0.90)を認めました。習慣的にお茶を飲む群は、動脈硬化性心血管疾患がない期間が1.41年長く、50歳以降の余命(life expectancy)が1.26年長く認めました。さらに、1万4081例を、お茶を飲む習慣がない群、お茶を飲む習慣を始めたまたは辞めた群、お茶を飲む習慣が継続している群の3つの群に分け、中央値8.2年間追跡したところ、お茶を飲む習慣が継続している群では、他の2群と比べて、心疾患と脳卒中39%減少、致死的心疾患と脳卒中56%減少、死亡29%減少を認めました。お茶の摂取は動脈硬化性心血管疾患と全死亡を減少させ、特に習慣的にお茶を飲む習慣を継続している群で顕著でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/2047487319894685
お茶を飲む習慣があり、継続していると心血管疾患が減るという中国の研究です。お茶自体に効果があるのか、お茶以外の飲み物がお茶に変わった影響で相対的に心血管疾患が減っているのか、お茶ではなく水ではダメなのか、さらなる研究が求められますが、お茶は健康に良いという理解で良いのではないでしょうか。お茶の水循環器内科のロゴはお茶をイメージしていますが、健康に良さそうということで良かったです。

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