2020/1/28(土)、食物繊維の摂取と全死亡と疾病別死亡率の関係を調べた日本の研究「Dietary Fiber Intake and Total and Cause-Specific Mortality: The Japan Public Health Center-based Prospective Study」の結果をまとめました。

2020/1/28(土)、食物繊維の摂取と全死亡と疾病別死亡率の関係を調べた日本の研究「Dietary Fiber Intake and Total and Cause-Specific Mortality: The Japan Public Health Center-based Prospective Study」の結果をまとめました。アジア人における食物繊維(dietary fiber)の摂取と、全死亡、疾病別死亡率を調べるために、国立がん研究センターのJPHC研究(Japan Public Health Center-based prospective study)の参加者、45歳から74歳の9万2924例を対象に、138種類の食事内容について、食物繊維の摂取量は個人質問表によって算出、16.8年間追跡しました。結果、1万9400例の死亡が確認されました。多変数解析の結果、総食物繊維、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の摂取は、全死亡の増加と負の関係を認めました。食物繊維の摂取量に応じて5等分のグループに分けたところ、食物繊維の摂取量が最も多い群は、最も少ない群に比べて、死亡率は男性27%低下(HR 0.77 95%CI 0.72 0.82 Ptrend<0.0001)、女性18%低下(HR 0.82 95%CI 0.76 0.89 Ptrend<0.0001)を認めました。食物繊維の摂取量の増加につれて心血管疾患死亡、呼吸器疾患による死亡、外傷による死亡は、男女ともに有意に減少してみした。がん死亡について、食物繊維の摂取量が多いことは男性では死亡率の低下と関係していましたが、女性ではそのような関連は認めませんでした。食物繊維の摂取源としては、果物類、豆類、野菜類由来の食物繊維は死亡率の低下と関連していましたが、穀物類による食物繊維ではそのような関連は認められませんでした。 食物繊維は全死亡の減少を認めました。果物類、豆類、野菜類による食物繊維は全死亡の低下と関係していました。食物繊維の摂取にあたっては食物繊維の摂取源も重要だろうと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://academic.oup.com/ajcn/advance-article-abstract/doi/10.1093/ajcn/nqaa002/5716885
国立がん研究センターのページにも論文の解説があります。
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8484.html
基本的には、食物繊維は摂れば摂るほど良いという理解で良いようです。ただし、穀物類由来の食物繊維では全死亡の減少効果は認められなかったことが今回の研究結果です。食物繊維を摂るのであれば、野菜、豆類、果物が良いようです。

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