2020/5/6(水)、ダパグリフロジンが左室駆出率の低下した心不全に対する治療薬としてアメリカ食品医薬品局に承認されたことをアストラゼネカが発表しました。

2020/5/6(水)、ダパグリフロジンが左室駆出率の低下した心不全に対する治療薬としてアメリカ食品医薬品局に承認されたことをアストラゼネカが発表しました。詳しくはアストラゼネカのプレスリリースをご覧ください。
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2020/farxiga-approved-in-the-us-for-the-treatment-of-heart-failure-in-patients-with-heart-failure-with-reduced-ejection-fraction.html
下記、和訳しました。ちなみに、「Farxiga」はダパグリフロジンのアメリカにおける販売名です。
「Farxiga」は、左室駆出率の低下した心不全(heart failure with reduced ejection fraction)の治療薬としてアメリカで承認されました。
「Farxiga」は心不全における心血管死亡、入院リスクを有意に減らすことが証明された最初のSGLT2阻害薬です。
アストラゼネカの「Farxiga」(ダパグリフロジン)は、アメリカにおいて、2型糖尿病の有無に関わらず、NYHAクラスIIからIVの左室駆出率の低下した心不全において、心血管死亡、入院のリスクを低下させることが証明されました。食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は、「Farxiga」がプラセボと比べて、心不全における心血管死亡、入院を臨床的に意味のある、統計学的に有意に減らしたことを証明した、第3相試験「DAPA-HF」試験の結果に基づいて承認しました。2019年9月、食品医薬品局の優先審査(Priority Review)指定、早期審査(Fast Track)指定を受けていました。「Farxiga」は、左室駆出率40%以下の左室駆出率の低下した心不全の治療において、アメリカ食品医薬品局から最初に承認されたSGLT2阻害薬(sodium glucose co-transporter 2 inhibitor)です。(中略)「DAPA-HF」試験では、「Farxiga」を標準的治療に加えると、プラセボと比べて、左室駆出率の低下した心不全において、心血管死亡、心不全増悪の複合転帰を26%減少(絶対リスク差 = 5% [event rate/100 patient years: 11.6 vs 15.6, respectively]; p<0.0001)を認めました。試験期間中、「Farxiga」による治療21例あたり、心血管死亡、心不全入院、心不全増悪による緊急受診1例が防げた計算になります。「DAPA-HF」試験における「Farxiga」の安全性プロファイルは既知のプロファイルと変わりはありませんでした。「DAPA-HF」試験の結果は「The New England Journal of Medicine」に掲載されました。2019年10月、「Farxiga」は、複数の心血管リスク因子または心血管疾患の既往を持つ2型糖尿病において、心不全入院のリスクを減らす効果で、食品医薬品局に承認されています。この承認は「DECLARE-TIMI 58」試験の結果に基づいています。「Farxiga」は2型糖尿病においても、食事療法、運動療法に加えて血糖コントロール改善を示唆されています。
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2020/farxiga-approved-in-the-us-for-the-treatment-of-heart-failure-in-patients-with-heart-failure-with-reduced-ejection-fraction.html
ついに、SGLT2阻害薬が糖尿病の有無に関わらず、心不全治療薬として承認です。「DAPA-HF」試験については以前何度かまとめています。詳しくは下記ページをご覧ください。
「糖尿病治療薬「フォシーガ」で慢性心不全悪化リスク低減効果があることが明らかになりました。」
https://ochanomizunaika.com/11261
「2019/11/16(土)-11/18(月)、フィラデルフィアで開催されたアメリカ心臓協会学術集会(AHA2019)にてダパグリフロジンの左室駆出率が低下した慢性心不全への効果を検討した研究「DAPA-HF」の結果が発表されました。」
https://ochanomizunaika.com/12396
「2020/3/27(金)、糖尿病を合併した心不全と糖尿病を合併していない心不全において心不全の増悪と心血管死亡に対するダパグリフロジンの効果について調べた研究「Effect of Dapagliflozin on Worsening Heart Failure and Cardiovascular Death in Patients With Heart Failure With and Without Diabetes」の結果をまとめました。」
https://ochanomizunaika.com/15077
日経メディカルにも同様の記事がありました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t339/202001/563983.html


PAGETOP