2020/2/7(金)、COVID-19入院138例の臨床的特徴についての中国の研究「Clinical Characteristics of 138 Hospitalized Patients With 2019 Novel Coronavirus–Infected Pneumonia in Wuhan, China」の結果をまとめました。2019年12月、2019-nCov感染肺炎(novel coronavirus infected pneumonia: NCIP)が中国武漢で発生しました。症例数は急速に増加しましたが、臨床的特徴については限られていました。NCIPの疫学的、臨床的特徴を調べるために、2020/1/1から1/28までの中国武漢の武漢大学中南病院(Zhongnan Hospital of Wuhan University)のNCIP確定で入院例138例の後ろ向き単施設症例蓄積研究を実施しました。疫学、人口統計学、臨床、検査、放射線、治療データを収集し、解析しました。重症例と非重症例の転帰を比較しました。医療専門家、同じ病室入院患者のクラスターで感染を起こし、感染源となる可能性が追跡された場合には推定病院関連感染が疑われています。結果、138例のNCIP入院例、平均年齢56歳、男性75例(54.3%)、病院関連感染は、医療専門家を介した感染40例(29%)、入院患者を介した感染17例(12.3%)と推定されました。頻度の高い症状は、発熱136例(98.6%)、倦怠感96例(69.6%)、乾性咳嗽82例(59.4%)、リンパ球減少(平均リンパ球800/μL)97例(70.3%)、プロトロンビン時間延長(平均13.0秒)80例(58%)、LDH上昇(平均261U/L)55例(39.9%)でした。胸部CT検査では両側肺野に斑状陰影またはすりガラス状陰影を全例で認めました。抗ウイルス薬124例(89.9%)オセルタミビル、抗菌薬モキシフロキサシン89例(64.4%)セフトリアキソン34例(24.6%)、アジスロマイシン25例(18.1%)、グルココルチコイド治療62例(44.9%)、36例(26.1%)合併症のため集中治療室への転送され、原因は急性呼吸促迫症候群22例(61.1%)、不整脈16例(44.4%)、ショック11例(30.6%)でした。最初の症状から呼吸困難が出現するまで平均時間は5.0日間、入院まで7.0日間、急性呼吸促迫症候群8.0日間でした。集中治療室で治療された36例は、それ以外の102例と比べて、より高齢(平均年齢 66 vs 51)で、基礎疾患の既往が多く(72.2% vs 37.3%)、呼吸困難の頻度が多く(63.9% vs 19.6%)、食欲低下の頻度が多く66.7% vs 30.4%)認めました。集中治療室36例において、高流量酸素投与4例(11.1%)、非侵襲的換気15例(41.7%)、侵襲的換気17例(47.2%)を受けていました。4例は体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)へ移行しました。2020/2/3時点において、47例退院、6例死亡、死亡率4.3%で、残りの症例は入院中です。退院、生存47例、平均入院期間10日間でした。中国武漢におけるNCIP確定で入院した138例の単施設症例蓄積研究の結果、2019-nCovの推定病院関連感染疑いは41%、集中治療室治療26%、死亡率は4.3%でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761044
2020/2/7(金)、COVID-19入院138例の臨床的特徴についての中国の研究「Clinical Characteristics of 138 Hospitalized Patients With 2019 Novel Coronavirus–Infected Pneumonia in Wuhan, China」の結果をまとめました。