2019/11/26、心房細動に対する持続モニタリング補助によるクライオバルーンとラジオ波アブレーションを比較した結果「Cryoballoon or Radiofrequency Ablation for Atrial Fibrillation Assessed by Continuous Monitoring: A Randomized Clinical Trial」の結果をまとめました。心房細動アブレーションにおいて、次世代のアブレーション技術は、より効果的に肺静脈隔離(pulmonary vein isolation: PVI)、不整脈の再発を最小化するように進歩しています。薬剤耐性の発作性心房細動346例を対象に、接触力ガイドラジオ波アブレーション(contact force-guided radiofrequency ablation:CF-RF)115例、4分間のクライオアブレーション(Cryo-4)115例、2分間のクライオアブレーション(Cryo-2)116例に無作為に割り振りました。12ヶ月間追跡しました。一次転帰は、アブレーション後91日後から365日後までの症候性、無症候性の心房性頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、心房頻拍)の再発の記録または再アブレーションとしました。二次転帰は症候性不整脈、心房細動のない期間としました。全例ループレコーダ埋込みを実施しました。1年間の持続的調律モニタリングによる心房性頻脈性不整脈のない率は、接触力ガイドラジオ波アブレーション群53.9%、4分間クライオアブレーション群52.2%、2分間クライオアブレーション群51.7%で、有意差(P=0.87)を認めませんでした。1年間の持続的調律モニタリングによる症候性心房性頻脈性不整脈のない率は、接触力ガイドラジオ波アブレーション群79.1%、4分間クライオアブレーション群78.2%、2分間クライオアブレーション群73.3%で、有意差(P=0.26)を認めませんでした。アブレーション前のモニタリング期間と比べて、心房細動の平均の減少は、接触力ガイドラジオ波アブレーション群99.3%(四分位範囲 67.8%-100.0%)、4分間クライオアブレーション群99.9%(65.3%-100.0%)、2分間クライオアブレーション群98.4%(56.2%-100.0%)でした。重大有害事象は、接触力ガイドラジオ波アブレーション群3例(2.6%)、4分間クライオアブレーション群6例(5.3%)、2分間クライオアブレーション群7例(6.0%)に発生、有意な群間差(P=0.24)は認めませんでした。接触力ガイドラジオ波アブレーション群は有意に手技時間が長いが、有意に透視暴露が少ない(P<0.001 vs cryoballoon groups)傾向にありました。多施設無作為化単盲検試験の結果、接触力ガイドラジオ波アブレーションは、2つのクライオアブレーションのレジメンと1年間の有効性において差を認めませんでした。持続的調律モニタリングによる評価では、98%の負荷減少を認めました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31630538
心房細動のカテーテルアブレーション治療において、ラジオ波アブレーションとクライオアブレーション、どっちが良いか質問を受けることがたびたびありますが、有効性に差がないという結果でした。クライオアブレーションをやってくれるところを探して希望する方がたまにいらっしゃいますが、現時点では術者にお任せというのが良いでしょう。詳しくは主治医までご相談ください。
2019/11/26、心房細動に対する持続モニタリング補助によるクライオバルーンとラジオ波アブレーションを比較した結果「Cryoballoon or Radiofrequency Ablation for Atrial Fibrillation Assessed by Continuous Monitoring: A Randomized Clinical Trial」の結果をまとめました。