2020/5/28、フェイスマスク着用、消毒、ソーシャルディスタンスによるSARS-CoV-2の家庭内の二次感染の減少について調べた研究「Reduction of secondary transmission of SARS-CoV-2 in households by face mask use, disinfection and social distancing: a cohort study in Beijing, China」の結果をまとめました。

2020/5/28、フェイスマスク、消毒、ソーシャルディスタンスによるSARS-CoV-2の家庭内の二次感染の減少について調べた研究「Reduction of secondary transmission of SARS-CoV-2 in households by face mask use, disinfection and social distancing: a cohort study in Beijing, China」の結果をまとめました。COVID-19の家族、濃厚接触による感染は感染拡大の大多数を占めます。マスク、手洗い、ソーシャルディスタンスは効果的だろうと考えられていますが、家族内の感染リスクを減らすかどうかエビデンスは十分ではありませんでした。中国、北京にて、2020/2/28から2020/3/27まで、COVID-19検査確定335例、124家庭を対象に後ろ向きコホート研究を実施しました。関心転帰は家族内のSARS-CoV-2(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)の二次感染としました。一次症例(primary case)の解析からは家庭内接触、家庭内衛生が二次感染の予測因子ではないかと考えられています。結果、家族内感染の発生率は355例中77例(23.0%)でした。一次症例と一次症例の症状出現前の家庭内接触者のフェイスマスク着用は家族内感染を79%(OR=0.21, 95% CI 0.06 to 0.79)効果的に減少させました。塩素またはエタノール消毒を家庭内で毎日行うことは77%(OR=0.23, 95% CI 0.07 to 0.84)効果的でした。一次症例の症状出現後のマスク着用は有意な防御にはなりませんでした。家庭内感染のリスクは一次症例と毎日頻繁な接触がある場合には18.26倍(OR=18.26, 95% CI 3.93 to 84.79)に上昇、一次症例が下痢の症状がある場合には4.10倍(OR=4.10, 95% CI 1.08 to 15.60)に上昇しました。家庭内が密(household crowding)であることは有意ではありませんでした。今回の研究から、症状出現後の感染リスクが高いこと、マスク着用、消毒、ソーシャルディスタンスは効果的なエビデンスがあることを立証しました。この情報はCOVID-19の流行地域においては地域予防のガイドラインとして周知したほうが良いでしょうと論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://gh.bmj.com/content/5/5/e002794
マスク着用、消毒、ソーシャルディスタンスは意味があるのか、意味があるという中国からの報告です。マスク着用は79%、消毒は77%も家庭内感染リスク減少の効果があるとのエビデンスです。マスク着用に関しては、最初の感染者が症状出現後にマスクをしても意味がないとのことで、症状出現前にマスクを付けないと予防にはならないという点も明らかになりました。消毒を毎日行うことも有効との結果です。誰もが関心の高いテーマではありましたが、後ろ向きコホートで具体的にエビデンスが出るというのはすごいですね。


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