2020/4/27、ST上昇型心筋梗塞における非責任病変の冠血流予備量比と自然歴との関係を調べた研究「The Natural History of Nonculprit Lesions in STEMI: An FFR Substudy of the Compare-Acute Trial」の結果をまとめました。

2020/4/27、ST上昇型心筋梗塞における非責任病変の冠血流予備量比と自然歴との関係を調べた研究「The Natural History of Nonculprit Lesions in STEMI: An FFR Substudy of the Compare-Acute Trial」の結果をまとめました。ST上昇型心筋梗塞(ST-segment elevation myocardial infarction: STEMI)はしばしば多枝病変を合併していますが、非梗塞関連動脈(non-infarct-related arteries: non-IRAs)を治療すべきかどうかは議論となっています。ST上昇型心筋梗塞において、非梗塞関連動脈の冠血流予備量比(fractional flow reserve: FFR)の予測能を調べるために、一次経皮的冠動脈形成術後、非梗塞関連動脈を冠血流予備量比を用いて評価した研究、「Compare-Acute」(Comparison Between FFR Guided Revascularization Versus Conventional Strategy in Acute STEMI Patients With MVD)試験の参加者の転帰を解析しました。冠血流予備量比の値は主治医には盲検としました。一次転帰は心血管死亡、標的血管関連(経皮的冠動脈形成術にて測定した冠血流予備量比)の非致死性心筋梗塞、標的血管血行再建の複合、24ヶ月以内の主要有害心事象としました。結果、751例、963血管を対象、標的非非梗塞関連動脈の主要有害心事象は、対照群と比べて冠血流予備量比の有意な低下(0.78 vs. 0.84, respectively; p < 0.001)を認めました。標的血管血行再建を実施した非非梗塞関連動脈の冠血流予備量比の平均値は、標的血管血行再建なしの場合と比較して、低値(0.79 vs. 0.85, respectively; p < 0.001)で、この差は全ての血管において有意でした。心筋梗塞を起こした場合の標的非梗塞関連動脈の冠血流予備量比の平均値は、心筋梗塞を起こさなかった場合と比べて、低値(0.79 vs. 0.84, respectively; p = 0.016)でした。主要有害心事象の発生率は、冠血流予備量比が最も低値(<0.80)の三分位群、高値の三分位群(0.80 to 0.87 and ≥0.88)と比べて、有意に高率(p < 0.001)でした。ST上昇型心筋梗塞で多枝病変を合併した例において、経皮的冠動脈形成術後、冠血流予備量比の測定に応じて非梗塞関連動脈の治療を直ちに行うことは、主要有害心事象のリスクと非線形、逆相関を示しました。不良予後の予測は、冠血流予備量比0.80前後で認められました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32327091
急性心筋梗塞にて急性心筋梗塞の原因ではない血管においても狭窄を認めた場合に治療すべきかどうかを冠血流予備量比で予測可能か調べた研究です。冠血流予備量比0.80前後で差を認めており、ステント留置の基準である0.70よりも高値ではありますが、0.80あたりが参考になるだろうという報告です。


PAGETOP