2020/6/10、COVID-19を呼吸音データから自動診断出来ないかという取り組み「Exploring Automatic Diagnosis of COVID-19 from Crowdsourced Respiratory Sound Data」の結果の一部をまとめました。

2020/6/10、COVID-19を呼吸音データから自動診断出来ないかという取り組み「Exploring Automatic Diagnosis of COVID-19 from Crowdsourced Respiratory Sound Data」の結果の一部をまとめました。人体からの音声信号、ため息(sighs)、呼吸、心音、腸、振動音等は、病気、病気の発症、診断や進行の指標として臨床家は使っています。外来において手動の聴診で収集されることが一般的でした。今回、デジタルテクノロジーを使い、デジタル聴診器によって心血管、呼吸検査のための身体音を収集、自動解析を出来るかどうか調べました。最初は、COVID-19確定例の声や咳のデータから診断可能かどうかを検討しました。大規模なクラウドソースのデータセットによって、収集された呼吸音からCOVID-19診断が出来ないか、他の喘息、健康な対照群からの音と、COVID-19の音を、咳、呼吸音から区別することが出来ないか検討しました。結果、単純なバイナリ機械学習分類(simple binary machine learning classifie)によって、健康な音とCOVID-19の音を正しく分類することが出来ました。さらにCOVID-19検査陽性例を、健康な人からの咳の音と、喘息の咳の音を区別するのかをどのように区別するのかを調べました。モデルはAUC 70の正確性に到達しました。この結果はあくまで予備的なもので、このような音声ベースの機械学習の可能性を示したに過ぎません。COVID-19の自動診断のために、プレスクリーニングとして使用するためには、呼吸パターンをどのように自動解析すれば良いのかさらなる研究へのきっかけとなるでしょうと発表前の論文ではまとめています。詳しくは下記のページをご覧ください。
https://arxiv.org/abs/2006.05919
発表前の論文ではありますが、呼吸音のみのデータから機械学習でCOVID-19、正常呼吸、喘息を判別出来るかも知れないという驚くべき報告です。すごい時代になったものです。実臨床としては、正常呼吸と喘息を鑑別出来るだけでも十分有用です。


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