2020/7/1、未破裂脳動静脈奇形に対して、保存的治療と侵襲的治療と予後を比較した研究「Medical Management With Interventional Therapy Versus Medical Management Alone for Unruptured Brain Arteriovenous Malformations (ARUBA): Final Follow-Up of a Multicentre, Non-Blinded, Randomised Controlled Trial」の結果をまとめました。「ARUBA」(A Randomized trial of Unruptured Brain Arteriovenous malformations)試験は、事前指定暫定解析の結果、症候性脳卒中、死亡予防において、薬物管理単独が薬物管理と介入治療の併用よりも優れていることが明らかになったため、追跡33.3ヶ月の時点で中止されました。さらに追加で5年間の追跡を実施しました。「ABUBA」試験は、9カ国、39施設で実施された非盲検無作為化試験です。18歳以上、未破裂脳動脈奇形と診断されており、介入治療を一度も受けたことがない例を対象に、参加施設が病変根治に介入が適していると判断した場合を組み込み基準としました。参加者はウェブベースの収集システムによって、薬物管理単独、介入治療併用(脳神経外科手術、塞栓術、定位放射線術、それぞれの単独または組み合わせ)に無作為に割り振りました。治療割り振りは非盲検でしたが、他の施設、治験コーディネーターは他の施設の転帰の情報を知らせませんでした。主要転帰は死亡、主治医以外の神経内科医による画像読影によって確定された症候性脳卒中、独立した治験委員会による監視を受けていました。参加登録は2007年開始、2013年終了、2015年まで追跡、全例治療企図解析を実施しました。結果、1740例のうち226例が参加、薬物管理単独群110例、薬物管理と介入治療併用群116例に無作為に割り振りました。中央値50.4ヶ月の追跡期間中、死亡または症候性脳卒中の発生率は、薬物管理単独群5例(3.39人年)は、薬物管理と介入治療併用群41例(12.32人年)と比べて、有意に低値(hazard ratio 0·31, 95% CI 0·17 to 0·56)でした。追跡期間中、薬物管理群2例、介入治療群4例(うち2例は介入関連)が死亡しました。有害事象は、薬物管理群のほうが介入治療群と比べて低値(283 vs 369; 58·97 vs 78·73 per 100 patient-years; risk difference -19·76, 95% CI -30·33 to -9·19)でした。「ARUBA」追加の追跡においても、薬物管理単独群は介入治療群と比べて、未破裂脳動脈奇形の死亡、症候性脳卒中の予防に関して優位性を認めました。転帰の差のデータは、標準的な専門家の実臨床、治療選択の情報として影響するでしょう。長期の治療間の差を調べるためにはさらなる研究が必要だろうと論文ではまとめています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32562682
未破裂脳動脈奇形の治療方針について、脳神経外科手術、塞栓術、定位放射線治療等の侵襲的治療は、保存的治療と比べて優越性を認めなく、有害事象が多かったという報告です。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0702530809
2020/7/1、未破裂脳動静脈奇形に対して、保存的治療と侵襲的治療と予後を比較した研究「Medical Management With Interventional Therapy Versus Medical Management Alone for Unruptured Brain Arteriovenous Malformations (ARUBA): Final Follow-Up of a Multicentre, Non-Blinded, Randomised Controlled Trial」の結果をまとめました。