2020/7/1、ガイドライン推奨の身体活動と全死亡、特定原因死との関係を調べた米国の研究「Recommended physical activity and all cause and cause specific mortality in US adults: prospective cohort study」の結果をまとめました。

2020/7/1、ガイドライン推奨の身体活動と全死亡、特定原因死との関係を調べた米国の研究「Recommended physical activity and all cause and cause specific mortality in US adults: prospective cohort study」の結果をまとめました。アメリカにおいて、2018年の身体活動ガイドラインにおいて推奨された身体活動(recommended physical activity)と全死亡、特定原因死との関連を調べるために、集団ベースコホート研究を実施しました。1997年から2014年の全国健康問診調査「National Health Interview Survey」と、2015年までの全国死因統計のデータを結合しました。18歳以上の479856例を対象に、自己問診にて、有酸素運動(aerobic physical activity)、筋肉強化活動(muscle strengthening activities)に費やす週あたりの時間について、身体活動ガイドラインに基づいて、運動不十分、有酸素運動のみ、筋肉強化のみ、有酸素運動と筋肉強化運動の両方の4つのグループに分類しました。全死亡、特定原因死として、心血管疾患、がん、慢性下気道疾患、事故及び外傷、アルツハイマー病、糖尿病、インフルエンザ及び肺炎、腎疾患を、全国死因統計から収集しました。結果、中央値8.75年の追跡期間の間に、全体で59819例が死亡、心血管疾患13509例、がん14375例、慢性下気道疾患3188例、事故及び外傷2477例、アルツハイマー病1470例、糖尿病1803例、インフルエンザ及び肺炎1135例、腎疾患1129例でした。身体活動ガイドラインの基準を満たしていない群268193例と比べて、推奨された筋肉強化運動を行っている群21428例(hazard ratio 0.89, 95% confidence interval 0.85 to 0.94)、推奨された有酸素運動を行っている群113851例(0.71, 0.69 to 0.72)では、全死亡リスクの減少を認めました。ガイドラインで推奨された有酸素運動、筋肉強化運動、両方を行っている群76384例では高い生存ベネフィット(0.60, 0.57 to 0.62)を認めました。さらに、同様の傾向は、心血管疾患、がん、慢性下気道疾患の特定原因死においても報告されました。2018年の身体活動ガイドラインで推奨されているレベルの有酸素運動、筋肉強化運動を行うことは全死亡、特定原因死のリスクを大幅に減らすことがわかりました。ガイドライン推奨の身体活動を行うことは重要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32611588
有酸素運動で29%、筋肉強化運動で11%、有酸素運動と筋肉強化運動の両方で40%も死亡率低下が認められました。ガイドラインでは具体的には週75分以上の高強度の有酸素運動、週150分以上の軽度から中程度の運動等が推奨されています。詳しくはガイドラインをご覧ください。
「The Physical Activity Guidelines for Americans」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30418471


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