2020/7/6、中高年におけるレム睡眠と死亡率の関係を調べた研究「Association of Rapid Eye Movement Sleep With Mortality in Middle-aged and Older Adults」の結果をまとめました。

2020/7/6、中高年におけるレム睡眠と死亡率の関係を調べた研究「Association of Rapid Eye Movement Sleep With Mortality in Middle-aged and Older Adults」の結果をまとめました。レム睡眠(Rapid eye movement sleep)は健康転帰と関連があると言われているが、レム睡眠と死亡率との関係は十分にわかっていませんでした。レム睡眠と死亡リスクの関係を調べるために、「MrOS」(Outcomes of Sleep Disorders in Older Men)睡眠研究、「WSC」(Wisconsin Sleep Cohort)研究からのデータを用いて多施設集団ベース断面横断研究を実施しました。「MrOS」研究の参加者は2003年から2005年から、「MSC」研究は1988年に開始されました。MrOS、WSCの参加者のレム睡眠のデータ、死亡データを収集しました。2018年から2019年まで解析を実施しました。全死亡、特定原因死亡は、死亡診断書から確定しました。結果、MrOSコホート研究2675例、男性2675例(100%)、平均年齢76.3歳、中央値12.1年追跡しました。WSCコホート研究1386例、男性753例(54.3%)、平均年齢51.5歳、中央値20.8年追跡しました。MrOSの参加者において、人口、睡眠、健康共変量調整後、レム睡眠が5%減少ごとに13%死亡率が上昇、年齢調整ハザード比1.12、全体調整ハザード比1.13(95% CI, 1.08-1.19)でした。心血管疾患、他の原因死においても同様の結果でした。カプランマイヤー曲線において、陽性閾値効果が認められ、レム睡眠の割合が15%未満となると、レム睡眠の割合が15%以上の場合と比べて、高い死亡率、死亡転帰と関連しており、オッズ比は1.20から1.35で、特にがんにおいて顕著でした。この所見はWSCコホート研究において、長期の追跡、若年、女性に対しても、ハザード比1.13(95% CI, 1.08-1.19)と、当てはまりました。ランダムフォレストモデルによって、レム睡眠は生存において最も重要な睡眠ステージであることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32628261
レム睡眠とは、眠っていても眼球が運動している浅い睡眠で、身体は休息していますが、脳は覚醒状態にあり、夢を見たり、自律神経のゆらぎが見られる睡眠です。レム睡眠の役割はまだよくわかっていないところもありますが、レム睡眠の割合が多いほうが死亡率が低いという報告です。深い眠りだけではなく、浅い眠りもある程度必要というのも面白いですね。日経メディカルにも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/202007/566481.html


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