2016/4/18、冠動脈性心疾患、脳卒中のリスク因子としての孤独、社会的隔離についての研究「Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal observational studies」の要旨をまとめました。

2016/4/18、冠動脈性心疾患、脳卒中のリスク因子としての孤独、社会的隔離についての研究「Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal observational studies」の要旨をまとめました。疾病における社会関係(social relationships)の影響は広く受け入れられていますが、心血管健康に対するリスクの程度は十分にわかっていませんでした。孤独(loneliness)、社会的隔離(social isolation)と冠動脈性心疾患、脳卒中の発生との関係について、系統レビュー、メタ解析を実施しました。16の電子データセットにて、2015年まで発表された研究、高所得国における長期研究を系統的に解析しました。研究を2名の独立した評価者がスクリーニングしました。成分アプローチ、無作為化影響モデルにて研究の質、蓄積データ解析をしました。結果、35925例の記録、23の論文がクライテリアを満たしました。16の長期データセットの報告から、3年から21年の範囲の追跡の間に、全体で冠動脈性心疾患4628例、脳卒中3002例の事象が発生しました。冠動脈性心疾患について11、脳卒中について8つの研究をメタ解析しました。乏しい社会関係(Poor social relationships)は冠動脈性心疾患29%リスク上昇(pooled relative risk: 1.29, 95% CI 1.04 to 1.59)、脳卒中32%リスク上昇(pooled relative risk: 1.32, 95% CI 1.04 to 1.68)と関連を認めました。サブグループ解析では性別による差を認めませんでした。社会関係の欠乏は冠動脈性心疾患、脳卒中のリスク上昇と関連しているという発見がわかりました。高所得国において、孤独、社会的隔離をターゲットとした介入は冠動脈性心疾患、脳卒中、2つの主要な死因、障害の原因を予防するかどうか、さらなる研究が求められます。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27091846
少し前の論文ですが、孤独、社会的隔離が冠動脈疾患29%、脳卒中32%のリスク増加と関連しているという報告です。様々な交絡因子がありそうですが、社会関係が希薄になることは心血管疾患においても良くない影響のようです。最近のメディカルトリビューンの記事で話題になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2020/0729531070


PAGETOP