2020/7/22、動物性たんぱく質、植物性たんぱく質、総たんぱく質の食事摂取と全死亡、心血管死亡、がん死亡との関係を調べた系統レビュー、用量反応メタ解析「Dietary intake of total, animal, and plant proteins and risk of all cause, cardiovascular, and cancer mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies」の要旨をまとめました。

2020/7/22、動物性たんぱく質、植物性たんぱく質、総たんぱく質の食事摂取と全死亡、心血管死亡、がん死亡との関係を調べた系統レビュー、用量反応メタ解析「Dietary intake of total, animal, and plant proteins and risk of all cause, cardiovascular, and cancer mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies」の要旨をまとめました。総たんぱく質、動物性たんぱく質、植物性たんぱく質と、全死亡、心血管死亡、がん死亡の用量反応関係の可能性を明らかにするために、系統レビュー、前向きコホート研究のメタ解析を実施しました。2019年12月まで、PubMed、Scopus、ISI Web of Scienceのデータソースと関連参照記事から収集しました。18歳以上の全死亡、心血管死亡、がん死亡の推算リスクの報告がある前向きコホート研究を対象としました。無作為化影響モデルを用いて、研究間のばらつきを組み込み、たんぱく質摂取の分類の最も高い群と最も低い群の蓄積影響サイズと95%信頼区間を算出しました。たんぱく質摂取と死亡率との用量反応関係を評価するために、線形、非線形用量反応解析を実施しました。結果、32本の前向きコホート研究を系統レビューに含み、31本をメタ解析に含みました。3.5年間から32年間の追跡期間において、715128例の参加者のうち、113039例の死亡、心血管死亡16429例、がん死亡22303例が発生しました。総たんぱく質の摂取は、全死亡リスク低下と関連(pooled effect size 0.94, 95% confidence interval 0.89 to 0.99, I2=58.4%, P<0.001)を認めました。植物性たんぱく質の摂取は、全死亡(pooled effect size 0.92, 95% confidence interval 0.87 to 0.97, I2=57.5%, P=0.003)、心血管疾患死亡(pooled hazard ratio 0.88, 95% confidence interval 0.80 to 0.96, I2=63.7%, P=0.001)リスク低下と有意に関連を認めましたが、がん死亡とは関連を認めませんでした。総たんぱく質、動物性たんぱく質の摂取は心血管疾患死亡、がん死亡と有意な関連を認めませんでした。用量反応解析では、植物性たんぱく質の摂取と全死亡との関係に有意な負の用量反応関係(P=0.05 for non-linearity)を認めました。1日あたり3%の植物性たんぱく質からの熱量が増加することは、全死亡リスク5%の低下と関連してました。総たんぱく質の摂取の高いほど全死亡リスク低下と関連を認め、植物性たんぱく質の摂取は全死亡、心血管疾患死亡の低下を関連を認めました。動物性たんぱく質を植物性たんぱく質へ置換することは、長寿(longevity)と関連している可能性があると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32699048
たんぱく質不足は良くないという結果と、たんぱく質を摂るのであれば、動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質が良いという結果です。植物性たんぱく質とは、具体的には豆腐、納豆等の大豆製品、豆類、穀類のことです。日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/202008/566710.html


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