2020/8/20、糖尿病の食事療法と胃バイパス術の代謝への影響を比較した研究「Effects of Diet versus Gastric Bypass on Metabolic Function in Diabetes」の要旨をまとめました。

2020/8/20、糖尿病の食事療法と胃バイパス術の代謝への影響を比較した研究「Effects of Diet versus Gastric Bypass on Metabolic Function in Diabetes」の要旨をまとめました。いくつかの研究では、2型糖尿病において、「Roux-en-Y」胃バイパス術は体重減少とは独立して代謝機能への治療効果を示唆しています。肥満、糖尿病22例において、胃バイパス術群と、食事療法群で、約18%の体重減少、グルコース代謝への影響を評価しました。主要転帰は、高インスリン正常血糖クランプ法、3段階のうち1、2段階の低用量インスリン負荷によって評価した肝臓のインスリン感受性の変化としました。副次転帰は、筋肉のインスリン感受性、β細胞機能、24時間血漿グルコース、インスリンプロファイルの変化としました。体重減少は開始時からのグルコース産生の抑制の増加と関連、クランプステージ1において、食事療法群では1分あたり除脂肪体重1kgあたり7.04μmol(95% confidence interval [CI], 4.74 to 9.33)、手術群では1分あたり除脂肪体重1kgあたり7.02μmol(95% CI, 3.21 to 10.84)、クランプステージ2において、5.39(95% CI, 2.44 to 8.34)、5.37(95% CI, 2.41 to 8.33)で、両群間に有意差を認めませんでした。体重減少はインスリン刺激性グルコース取り込みと関連、食事療法群では1分あたり除脂肪体重1kgあたり30.5±15.9 to 61.6±13.0μmol、手術群では1分あたり除脂肪体重1kgあたり29.4±12.6 to 54.5±10.4μmol、両群間に有意差を認めませんでした。体重減少はβ細胞機能、インスリン分泌関連インスリン感受性の改善、食事療法群1.83単位(95% CI, 1.22 to 2.44)、手術群1.11単位(95% CI, 0.08 to 2.15)で、両群間に有意差を認めませんでした。24時間血漿グルコース、インスリン値の曲線下面積は両群において低下、両群間で有意差を認めませんでした。どちらの群においても主要な合併症は認めませんでした。肥満、2型糖尿病において、胃バイパス術、食事療法の代謝へのベネフィットは同等で、体重減少自体に関連、体重減少とは独立した臨床的な影響は関連はなさそうであることがわかりました。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2003697
ダイエット手術の効果として体重減少はありますが、代謝への影響としては体重減少そのものの影響で、食事療法による体重減少とは別の効果はないという報告です。


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