2020/7/13、過去の心不全入院回数と心不全の入院転帰との関係を調べた研究「Association between the number of hospital admissions and in-hospital outcomes in patients with heart failure」の要旨をまとめました。

2020/7/13、過去の心不全入院回数と心不全の入院転帰との関係を調べた研究「Association between the number of hospital admissions and in-hospital outcomes in patients with heart failure」の要旨をまとめました。心不全の臨床ケアにおいて再入院は大きな課題です。心不全増悪による入院回数の影響は十分にわかっていませんでした。心不全増悪の入院回数と転帰との関係を分類するために、2010年1月から2018年3月まで、心不全入院、331259例、年齢中央値81歳、男性175286例(52.9%)、全国入院データベース、「Japanese Diagnosis Procedure Combination Database」を用いて解析しました。入院回数によって5群、1回 264583例、2回42385例、3回13205例、4回5347例、5回またはそれ以上5739例と分類しました。入院回数が多いほど合併症が多く、血管作動薬の使用が多い傾向にありました。入院間の間隔は入院回数が多いほど短く、入院期間は入院回数が多いほど長くなりました。多変量ロジスティクス回帰解析にて、入院回数が増加することは院内死亡率の高さの独立した関連因子でした。結論として、心不全増悪による再入院は頻度が高く、入院回数が多いほど、院内死亡率は高く、入院期間は長い傾向、心不全の再入院の回数は臨床的に有意な指標でした。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.nature.com/articles/s41440-020-0505-2
過去の入院回数が多いほど、入院期間は長く、予後が悪いという報告です。入院を繰り返す心不全を根本的に治す治療法は現在なく、心不全の予防が重要ということが日本循環器学会の「急性・慢性心不全診療ガイドライン」においても強調されています。詳しくは以前のまとめをご覧ください。
「急性・慢性心不全診療ガイドライン」における心不全ステージ分類と心不全の予防の重要性についてまとめました。
https://ochanomizunaika.com/7311


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