2020/8/12、肥満とCOVID-19診断例の死亡率の関係を調べた研究「Obesity and Mortality Among Patients Diagnosed With COVID-19: Results From an Integrated Health Care Organization」の要旨をまとめました。

2020/8/12、肥満とCOVID-19診断例の死亡率の関係を調べた研究「Obesity and Mortality Among Patients Diagnosed With COVID-19: Results From an Integrated Health Care Organization」の要旨をまとめました。肥満(Obesity)、人種(race/ethnicity)、他の基礎疾患は、COVID-19関連有害転帰のハイリスク因子として報告されていますが、各因子の影響の詳細は十分にわかっていませんでした。BMI、基礎疾患、時間、社会神光院市、他のリスク因子と、COVID-19原因死亡のリスクを調べるために、後ろ向きコホート研究を実施しました。大規模な総合保健機構「Kaiser Permanente Southern California」、2020/2/13から5/2まで、加入者でCOVID-19診断例を対象に、多変量Poisson回帰にて、年齢、性別調整後、BMIとその他のリスク因子と21日死亡リスクを解析しました。結果、6916例、BMIと死亡リスクの間にJ字関係を認め、肥満関連基礎疾患を調整後も同様でした。BMIが18.5から24の例に比べて、相対リスクは、BMIが40から44で2.68(95% CI, 1.43 to 5.04)、45以上で4.18(CI, 2.12 to 8.26)と上昇を認めました。このリスクは60歳または60歳未満の男性において強く認めました。死亡リスクの上昇は黒人、ラテン系と関連を認め、他の社会人口因子は認めませんでした。研究の限界として、死亡は医療施設外で発生しているものもあり、加入者の情報は喪失しているものもあります。肥満はCOVID-19の死亡リスク因子として深い関係にあり、特に若年男性において顕著でした。医療保険支払いシステムの医療アクセスを平等化することで、人種、社会人口因子等の経済格差の影響を説明可能かも知れません。今回の所見により、様々なリスク因子の中でも、重度の肥満は主要な因子であり、早期介入のターゲットとなると論文ではまとめています。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-3742
COVID-19の重症化には様々な因子がありますが、BMI 40以上で死亡率2.68倍、45以上で4.18倍、肥満も大きな因子であったというアメリカからの報告です。


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