2020/7/1、心臓カテーテル室の検査数の変化について調べた研究「Cardiac Catheterization Laboratory Volume Changes During COVID-19 – Findings from a Cardiovascular Fellows Consortium」の要旨をまとめました。

2020/7/1、心臓カテーテル室の検査数の変化について調べた研究「Cardiac Catheterization Laboratory Volume Changes During COVID-19 – Findings from a Cardiovascular Fellows Consortium」の要旨をまとめました。COVID-19の流行と心臓カテーテル室について、アメリカ疾病管理予防センター(Center for Disease Control and Prevention: CDC)は、利用可能なリソースの観点から心臓カテーテル手術の適応を延期するように推奨しました。流行期における手術数の変化について調べるために、COVID-19流行に反応して、ソーシャルメディアを通じて、アメリカの研修医によって組織された「Cardiovascular Fellows Consortium」にて、心臓カテーテル、冠動脈造影、経皮的冠動脈、血管内、構造性心疾患への介入、全ての心臓手術を収集しました。2020/3/1から2020/4/15まで、2019年度の相当する期間、アメリカの12の研修病院から収集しました。各施設のデータベースから電子問診データから症例データを収集しました。記述統計を用いて特徴を要約、分類ごとの割合をまとめました。割合の変化率は四分位範囲幅の変化の中央値を算出しました。「Stata」「Microsoft Excel」にて解析、12施設、2020/3/1から4/1まで、全手術は2548例、一方で、2019年の同期間では4671例でした。2019年と比べた、2020年の手術件数は、-47%(IQR: −58% to −48%)でした。手術件数は12施設中11施設で減少していました。2020/4/1から4/15の期間に大規模な減少が発生、1施設を覗いて全ての施設で減少、平均-80%(IQR −86.2% to −72.5%)でした。COVID-19流行は予見出来る未来へ向けて健康システムに変化をもたらしました。適応リソースの限界により、手術は延期されました。COVID-19流行の期間、参加施設の大多数で、心臓カテーテル室の手術数は減少しました。同様の現象はスペインでも診断手術の48%減少を認めました。さらに、急性冠症候群を呈する例の減少も報告され、心臓カテーテル室の件数の全体の減少につながっていました。心臓治療を受ける患者さんが少なかったため、心臓カテーテル室のハンズオンのトレーニングが十分ではなかった可能性があります。COVID-19流行は学年暦の最終四半期に発生、症例ベース学習、専門スキル、臨床判断、キャリア、進学の準備に関わる影響しました。卒後医学教育の認定委員会では、症例数の減少を認識しており、臨床サービスのサポートのための訓練スタッフの再配置を実施しました。変化に対応して、スキルセットを磨く能力に対して、心臓カテーテル室の症例数減少を懸念しています。要約として、COVID-19流行期間中の心臓カテーテル室の手術件数の全体の減少は既存の報告と一貫していました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7289082
心臓カテーテルの件数がCOVID-19の影響で、前年度比-47%減、最もピーク時で-80%減だったとの報告です。80%減は衝撃的です。そもそも急性冠症候群の受診自体が減っているとの報告もあります。お茶の水循環器内科の経験としては、必要な心臓カテーテルには今のところ大きな影響はない印象です。むしろ検査も治療も空いており、平常時よりも速やかに検査、治療が完結することが多い印象です。


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