2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にて心房細動の診断と管理に関するヨーロッパ心臓病学会のガイドライン2020年度版「2020 ESC Guidelines for the diagnosis and management of atrial fibrillation developed in collaboration with the European Association of Cardio-Thoracic Surgery (EACTS): The Task Force for the diagnosis and management of atrial fibrillation of the European Society of Cardiology (ESC) Developed with the special contribution of the European Heart Rhythm Association (EHRA) of the ESC」が発表されました。原文は下記リンクから閲覧可能です。
https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehaa612/5899003
今回のガイドラインでは「CC to ABC pathway」という概念が登場しました。具体的には、心房細動の診断と管理の全体の流れを下記のように整理されました。まず、心房細動の診断について「CC」という流れで整理されました。
1つ目のCは「Confirm」のCで、心房細動の確定診断の基準として、「標準12誘導心電計または単極誘導心電計によって、P波を認めない、RR間隔の不整を30秒以上の記録で認めること」をクラスIの推奨(行うことを強く推奨する)と記載されました。
2つ目のCは「Characterize」のCで、心房細動の特性の把握として、脳卒中リスク、症状の重症度、心房細動の持続性、背景因子の重症度の4項目が記載されました。
次に、心房細動の管理について、「ABC pathway」という流れに整理されました。
Aは「Anticoagulation / Avoid stroke」のAで、心原性脳塞栓症予防のため、CHA2DS2-VAScスコアによるリスク評価のもと抗凝固療法の適応の有無、抗凝固薬の選択、導入を行います。
Bは「Better symptom control」のBで、自覚症状改善のため、心房細動のカテーテルアブレーションも含むリズムコントロール治療の適応の判断、レートコントロール治療の適応の判断を行います。
Cは「Comorbidities / Cardiovascular risk factor management」のCで、心房細動の併存疾患、合併症、心血管疾患のリスク因子の管理を行います。詳しくは下記原文をご覧ください。
https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehaa612/5899003
日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202009/567016.html
今回、心房細動の診断と管理の全体の流れを「CC to ABC pathway」という概念で整理されたことが特徴です。今までやっていたことと内容的には大きな違いはありません。「CC to ABC pathway」、わかりやすくて良いですね。
2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にて心房細動の診断と管理に関するヨーロッパ心臓病学会のガイドライン2020年度版「2020 ESC Guidelines for the diagnosis and management of atrial fibrillation developed in collaboration with the European Association of Cardio-Thoracic Surgery (EACTS): The Task Force for the diagnosis and management of atrial fibrillation of the European Society of Cardiology (ESC) Developed with the special contribution of the European Heart Rhythm Association (EHRA) of the ESC」が発表されました。