2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にてBrugada心電図の長期予後について日本の「特発性心室細動研究会(J-IVFS)」の研究が発表されました。

2020/8/29-9/1、オンラインで開催された「ヨーロッパ心臓病学会会議2020」にてBrugada心電図の長期予後について日本の「特発性心室細動研究会(J-IVFS)」の研究が発表されました。Brugada症候群は、心電図上coved型ST上昇、またはsaddle back型ST上昇という特徴的な心電図所見と特発性心室細動を来す症候群です。日本の特発性心室細動研究会(J-IVFS)の登録研究、特発性心房細動538例のうち、coved型ST上昇を満たさず、saddle back型ST上昇を満たす28例を対象に長期予後を検討しました。年齢中央値58歳、男性100%、失神等の有症状11例、持続性心室頻拍1例、無症候性16例でした。全例に電気生理学的検査が実施されており、19例に心室頻拍または心室細動の誘発を認めました。平均112ヶ月の追跡期間中、28例中4例に心停止または持続性心室頻拍が発生、年間発生率1.5%、4例とも事前に埋込み型除細動器の挿入がされていました。多変量解析の結果、予測因子としては、有症状、V2誘導において90msを超えるwide QRS、電気生理学的検査で心室頻拍または心室細動の誘発、の3因子が揃った場合、有意な予測因子(HR 4.30 95%CI 1.12-33.7 P=0.03)となりました。日経メディカルでも記事になっていました。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202009/566972.html
Brugada心電図は健診等でしばしば引っかかりますが、Brugada心電図の全例が特発性心室細動に至るという訳でもありません。一方で、特発性心室細動のハイリスク群に対しては埋込み型除細動器の適応を考慮する必要があります。今回の登録研究から、有症状、V2誘導において90msを超えるwide QRS、電気生理学的検査で心室頻拍または心室細動の誘発、の3因子が予測因子として有意であったという報告です。ただ、3つ目の条件の時点ですでに電気生理学的検査を行うことで初めてわかる所見なので、前者の2つの条件から電気生理学的検査の適応をどう選択すべきかという問題が発生します。全例に電気生理学的検査を奨めるのは簡単ですが、侵襲的検査でもあるため、健診異常例に対してどこまで侵襲的に精査をするべきか、課題は尽きません。お茶の水循環器内科の方針としては特発性心室頻拍、特発性心室細動の発生の頻度が多いとされる夜間、明け方の心電図を確認するためにホルター心電図によるスクリーニングを実施しています。ホルター心電図所見、症状、家族歴等も含めて総合的に判断し、電気生理学的検査の適応を考えるという方針にしています。詳しくは主治医までご相談ください。


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