2020/9/1、駆出率の保たれた心不全で心房細動を合併した例の心房機能障害について調べた研究「Atrial Dysfunction in Patients With Heart Failure With Preserved Ejection Fraction and Atrial Fibrillation」の要旨をまとめました。発作性心房細動、永続性心房細動は駆出率の保たれた心不全(heart failure with preserved ejection fraction: HFpEF)において頻度が高いです。駆出率の保たれた心不全において、心房細動の負荷の範囲、不整脈、左房心筋障害の合併症について調べるために、駆出率の保たれた心不全285例、対照群146例、侵襲的血行動態検査、心エコーによる心臓構造、機能、心膜拘束について調べました。結果、駆出率の保たれた心不全を心房細動の進行に応じて、心房細動の既往なし181例(65%)、発作性心房細動49例(18%)、永続性心房細動48例(17%)に分類しました。永続性心房細動はさらに、肺血管疾患、低心拍出に層別化しました。左房容量、左房コンプライアンス、左房容量ストレイン、右室機能は、心房細動の負荷に従って低下しました。永続性心房細動の割合は、病態生理によって区別、心房拡張期による総心拍出量の増加、心膜拘束の上昇、充満圧の上昇に関係します。生存率は心房細動の負荷に増加に従い低下しました。10年間で永続性心房細動への進行は一般的で、発作性心房細動52%で、心房細動の進行の尤度比は、心房細動の段階、左房コンプライアンスの低下、左房ストレインの低下に応じて増加しました。左房コンプライアンス、メカニクスは、駆出率の保たれた心不全における心房細動の負荷の増加、心房細動の新規発症リスクの増加、心房細動の進行につれて低下しました。駆出率の保たれた心不全の表現型の特異性は、心室との相互作用、右室不全、肺血管疾患の増悪によって特徴化を促進しています。駆出率の保たれた心不全の転帰を改善するために、左房心筋障害を標的にした治療介入を特定するためにはさらなる研究が必要です。詳しくは論文をご覧ください。
https://www.onlinejacc.org/content/76/9/1051
心房細動合併心不全の特徴についてまとめた論文です。病態生理学の論文は用語が難しいですね。
2020/9/1、駆出率の保たれた心不全で心房細動を合併した例の心房機能障害について調べた研究「Atrial Dysfunction in Patients With Heart Failure With Preserved Ejection Fraction and Atrial Fibrillation」の要旨をまとめました。