2020/9/28、心不全に対して多職種連携の心臓リハビリテーションが長期予後に与える影響を調べた日本の研究「Multidisciplinary Cardiac Rehabilitation and Long-Term Prognosis in Patients With Heart Failure」の要旨をまとめました。

2020/9/28、心不全に対して多職種連携の心臓リハビリテーションが長期予後に与える影響を調べた日本の研究「Multidisciplinary Cardiac Rehabilitation and Long-Term Prognosis in Patients With Heart Failure」の要旨をまとめました。運動心臓リハビリテーションは心不全の健康関連生活の質、運動耐容能を改善します。しかしながら、高齢者、フレイル、駆出率の保たれた心不全、心不全における心臓リハビリテーションの有効性は十分にわかっていませんでした。多職種連携、外来心臓リハビリテーションは、長期生存率、心不全入院、年齢、性別、併存疾患、フレイル、駆出率の保たれた心不全を解析しました。2007年から2016年、日本、15施設、急性心不全入院を対象とした多施設後ろ向きコホート研究を実施しました。主要評価項目は全死亡、退院後の心不全入院の複合、副次評価項目は全死亡、心不全入院とし、外来心臓リハビリテーションプログラムの参加群と非参加群で解析しました。結果、全3277例のうち、862例(26%)は外来心臓リハビリテーションに参加しました。潜在的な交絡因子の傾向マッチング後、1592例、796ペア、中央値2.4年の追跡の間、複合転帰511例、全死亡223例(14%)、心不全入院392例(25%)発生しました。心臓リハビリテーション関連のハザード比は、複合転帰0.77(95% CI, 0.65-0.92)、全死亡0.67(95% CI, 0.51-0.87)、心不全関連再入院0.82(95% CI, 0.67-0.99)でした。心臓リハビリテーション参加はフレイル、駆出率の保たれた心不全の複合転帰の低い発生率と数値的には関連していました。大規模心不全コホートの結果、外来心臓リハビリテーションは、年齢、性別、併存疾患に寄らず、フレイル、駆出率の保たれた心不全においても、予後ベネフィットと関連していました。詳しくは論文をご覧ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32986957
心臓リハビリテーションの有用性について、全死亡33%減少、心不全増悪入院18%減少という日本からの報告です。メディカルトリビューンでも記事になっていました。
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/1006532052
外来リハビリテーションのために通院しにくい場合は、自宅、自宅周辺で有酸素運動が良いでしょう。先日、日本心臓リハビリテーション学会から「COVID19に対する心臓リハビリテーション指針」が公開されています。
https://ochanomizunaika.com/16370


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